Monday, September 28, 2009

「やせたい」命落とす危険

「大根足やな」。彼氏に言われた一言が始まりだった。中学1年の終わりのころ、大阪府のC子さん(20)は身長160センチ、体重50キロで標準より軽いくらい。バスケット部員で太ももの筋肉は発達していた。この言葉が乙女心を傷つけ、ダイエットへと駆り立てた。
 米など炭水化物を食べずに、豆腐、サラダ、ヨーグルトなどを「主食」とした。「やせてきれいになったね」。周囲に、そう言われるのがうれしかった。中学2年の春から生理がなくなり、不安になった。「妊娠できない体になるのでは」
 約8か月で体重が15キロも減った中学2年の夏休み。母親に連れられ、大阪警察病院(大阪市天王寺区)産婦人科で思春期外来を担当する甲村弘子さん(大阪樟蔭女子大教授)の診察を受けた。
 「思春期やせ症」と診断された。一般的には拒食症と言われるが、思春期の拒食は、将来の健康に大きな影響を与えることから、特にこの病名がある。
 女性が圧倒的に多く、中高生では100人に1人との推計もある。身長などから算出される標準体重より15%以上やせていて肥満への恐怖感がある場合などに診断される。C子さんはマイナス35%だった。
 やせるために、食事を極端に抑えると、栄養失調により、脈が遅くなる徐脈や貧血、脱毛、むくみなど様々な症状が表れる。無月経も、そのためだ。
 国内外の調査によると、不整脈や自殺などが原因で、診断から10年間の死亡率が6%にもなる。甲村さんは「このままだと命の危険がある」と諭し、心療内科医を紹介。連携して治療にあたることにした。
 体重計に乗って減量を確認することが唯一の楽しみだったC子さん。減量を始めてから約1年後の中学2年の終わり頃には体重が30キロを切った。そこに至って、「このままではいけない」と目が覚めた。
 母親が少しずつ、食事量を増やしたが、小さくなった胃は食事を受け付けない。涙がポロポロこぼれ、母親に何度も謝った。「35キロになったら沖縄旅行」「次はディズニーランドね」。母親の心遣いがうれしかった。
 それから6年の間に体重は45キロに戻り、2年前、生理が来るようになった。旅行会社で元気に働く。
 甲村さんは「思春期やせ症は、うつ病など精神の病気が加わる重いものから、軽いものまで様々。早く見つけて治療することが大切で、親、学校関係者は注意して子供たちを見てほしい」と話している。(読売)

Sunday, September 27, 2009

全年齢層 肺炎の可能性

先月、東京・文京区の「森こどもクリニック」に10歳の男の子が母親と来院した。前日から38度を超す高熱が続き、せきもひどかったが、受け答えはしっかりしていた。
 簡易検査でインフルエンザと判明。隔離室で待ってもらい、約30分後に診察で部屋に入ると、顔色が悪く、ぐったりして言葉もない。呼吸が弱いため、酸素吸入を行い、急いで救急車で近くの病院に搬送した。
 幸い、肺炎にはならず、翌日に熱は下がり、5日目に退院した。後日、新型インフルエンザの感染が確定した。
 同クリニック院長の森蘭子さんは「急激な呼吸状態の悪化に、ひやっとしました。季節性インフルエンザではみられないこと」と驚く。都内の小児科医の会合で話すと、参加した約20人中4人の医師が、呼吸器症状の急変を経験していた。
 新型インフルエンザの症状は、38度以上の発熱やせきなど、基本的には季節性インフルエンザと同じ。違うのが、まれにウイルス性肺炎を起こすことだ。
 季節性で起きる肺炎の多くは、二次的に生じる細菌性肺炎で、免疫力が低下した高齢者に多い。ところが、ウイルス性肺炎は、子どもから大人までどの年齢でも起きる可能性がある。
 日本小児科学会長で横浜市立大小児科教授の横田俊平さんは「これまでインフルエンザで警戒してきたのは、脳が急速に腫れる脳症だった。今回は肺炎にも細心の注意を払う必要がある」と気を引き締める。
 同学会は、小児救急の専門家に急性の重症肺炎に対する治療マニュアルを作ってもらい、全国の小児科医に周知徹底していく予定だ。
 横田さんによると、子どもの肺炎の兆候は、〈1〉呼吸が速く、回数が多い〈2〉呼吸時にみぞおち付近がへこんだり、小鼻が動いたりする〈3〉顔色が青い、または土気色――などだ。大人では、呼吸困難、息切れ、胸の痛みが続くなどの自覚症状が出る。こうした症状があれば、すぐに医療機関を受診する。
 ただし、新型インフルエンザであっても、肺炎に進行するケースはごくわずかだ。普段、健康なら、発熱とせきだけで時間外にあわてて医療機関に駆け込む必要はない。
 横田さんは「ほとんどの人は数日間で自然に治る。無用な心配をしないためには、正確な知識を身に着け、冷静に子どもさんの様子を観察してほしい」と話している。(読売)

寒暖感じにくい高齢者

内科医で気象予報士でもある遊佐昌樹さんは、「体への負担が大きいのはやはり気温の急激な変化。急上昇すると、精神的に不安定になりやすく、急降下した場合は身体面に悪影響が出やすい」と話す。
 遊佐さんは、前日に比べて気温が5度以上、上下する日と、朝と晩の寒暖差が10度ある日は要注意とし、「気温が5度違うと季節が1か月進んだ状態と考えてもいい。気温が大きく変動する前の日は、疲れをためないよう、無理をしないでほしい」と助言する。
 気温の変化は天気予報以外に、自分の肌で知ることもできる。例えば、生暖かい風が吹いたり夕立があったりした時は、前線の通過時などにあたり、その後、急激に気温が下がることが多い。
 寒暖差が大きい場合は、衣服や部屋の温度を調整して対処する。ただ、高齢者になると、体の機能が衰え、暑さや寒さを感じにくくなる。
 遊佐さんは「汗をかいていなくても、暑さのために体温が高くなっていることもあるし、寒いと感じていなくても、室温が低くなっている場合もある。家族や周囲の人が意識して気に掛けるようにし、例えば、足先を触って熱いと感じたら、室温を調整するなどしてほしい」と強調する。
 気象の変化を知れば、病気の発症や悪化を防げる場合もある。2回目で紹介した広島県医師会のほか、医療機器大手のテルモが運営しているサイト「テルモ健康天気予報」など、天気予報を基に健康への注意を呼びかけるサービスもある。気象と健康の関係は、解明されていないことが多いが、こうした情報も参考にして、日頃の健康管理に努めたい。
 【寒暖差が大きくなる主な気象条件】
 ・低気圧と高気圧が交互に移動してくる「移動性高気圧」の通過時
 ・暖気の後に寒気がやってくる「寒冷前線」の通過時
 ・地表の熱が奪われる「放射冷却」が起きた時
 ・乾いた高温の空気が地表に降下してくる「フェーン現象」が起きた時
 (遊佐昌樹さんによる)(読売)

移動性高気圧に要注意

秋から冬にかけて症状が悪化することが多いのが、ぜんそくなどのアレルギー疾患だ。東京アレルギー疾患研究所所長の牧野荘平さん(独協医大名誉教授)は、「秋は寒暖差が激しく、気温が一気に下がる日が多い。急に冷たい空気が体内に入ると、発作が起きやすくなる」と話す。
 牧野さんらの研究グループが、延べ545人のぜんそく患者に毎日の症状を記録してもらったところ、1日の平均気温が3度以上、下がった時に多くの人の症状が悪化していた。
 それでは、どのような気象条件の時に気をつければいいのだろう。
 魚沼市国保守門診療所(新潟県)の内科医で気象予報士でもある遊佐昌樹さんは、「大陸からの移動性高気圧が上空を通過する時は、気温が一気に下がることが多いので要注意」と話す。移動性高気圧は、秋と春に多く現れる。この時は、高気圧と低気圧が交互に移動してくるため、天気が変わりやすい。
 また、日中、良く晴れた日は、夜に地表の熱が奪われる「放射冷却」が起き、翌朝には地表の気温の方が上空より低くなる「逆転層」という現象が起こることがある。遊佐さんは「逆転層が起こると、大気汚染物質が地表に停滞し、アレルギー症状が出やすくなる」と話す。
 さらに、秋は、夏に発生したダニの死骸やフンが多く、アレルギー症状を引き起こしやすい。
〈アレルギー疾患の予防法〉
 ・室内の温度が低くなり過ぎないよう調整する
 ・ダニやそのフンなどを室内にためないよう、部屋はこまめに掃除。布団を干した後は掃除機をかける
 ・気温が下がった日は、激しい運動は避ける
 ・空気を冷たく感じたらマスクをして、気道の乾燥を防ぐ
・ ぜんそくの症状がよくなったと思っても、吸入・服薬を自己判断でやめない
(牧野荘平さんによる)(読売)

Friday, September 25, 2009

睡眠不足でアルツハイマー?

睡眠不足がアルツハイマー病を引き起こす可能性があるとの研究結果を、米ワシントン大などの研究チームが24日の米科学誌サイエンス電子版に発表した。
物忘れがひどくなるアルツハイマー病は、脳内にアミロイドベータ(Aβ)という異常なたんぱく質が蓄積するのが原因と考えられている。
 研究チームは、遺伝子操作でアルツハイマー病にかかりやすくしたマウスの脳内を観察。Aβが起きている時に増え、睡眠中に減ることに気づいた。
 さらに西野精治・スタンフォード大教授らが、起きている時間が長いマウスではAβの蓄積が進むことを確認。不眠症の治療薬を与えるとAβの蓄積は大幅に減った。
 研究チームは「十分な睡眠を取ればアルツハイマーの発症が遅れるかもしれない。慢性的な睡眠障害のある人が、高齢になって発症しやすいかどうかも調べる必要がある」としている。(読売)
 アミロイドβ蛋白(Aβ)はアミノ酸からなるペプチドであり、β-及びγ-セクレターゼの働きにより前駆体蛋白から切り出されてくる。APPはα-セクレターゼによっても切断されるが、この際にはAβは生じない。アルツハイマー病ではAβが凝集して不溶性の線維形成がなされてアミロイドとなり脳に沈着する。これらのことからセクレターゼの制御がアルツハイマー病のコントロールにつながるものと期待されている。

Thursday, September 24, 2009

心筋梗塞 気圧が関係?

気温が下がると、健康な人でも血圧が高くなる。横浜市立大特任教授(情報システム予防医学)の栃久保修さんは「気温が下がると血管が収縮し血圧が上がる。冬は夏より脳卒中や心筋梗塞を起こしやすい」と注意を促す。
 杤久保さんらが、男女45人(50歳以上)の血圧を、季節ごとに日を決めて24時間測定したところ、冬の収縮期血圧は夏より8・7高かった。また、横浜市の脳卒中による救急搬送件数を調べると、1月は8月より約3割多かった。
 杤久保さんは「血圧が上がると血流が速くなって血栓(血液の塊)が心臓や脳の血管に飛びやすくなり、詰まる恐れが高まる」と話す。
 一方、広島県医師会は、天気予報に基づき、「心筋梗塞・脳卒中予報」を、インターネットで毎日、公開している。
 広島県内の過去3年の救急搬送の状況から、1日の平均気温が6度未満になると、6度以上の時より心筋梗塞の患者の搬送件数が増えることが分かった。これに加え、平均気圧が1013ヘクト・パスカル未満だと、より搬送患者が多くなった。また、気温と気圧にかかわらず、寒冷前線が通過する時なども患者が多かった。
 こうした結果から、心筋梗塞では「警戒(危険大)」「注意(危険中)」「普通(危険小)」の3段階で予報。また、脳卒中については、気圧との関連が見られなかったため、平均気温が9度未満は「注意」、9度以上の日は「普通」としている。
 同医師会常任理事で循環器内科医の松村誠さんは、「心筋梗塞と気圧がなぜ関係しているのか、理由はよく分からない。予報を参考に、冬は防寒をしっかりし、胸が苦しいなどの体調の変化が出たら、すぐに救急車を呼ぶようにしてほしい」と話している。
 〈心臓病や脳卒中を防ぐために心がけたいこと〉
 ・暖かい室内から寒い室外へなど、いきなり気温が低いところに行かない
 ・起床時は血圧の変化が大きく、ゆっくり体を起こす
 ・入浴前や就寝前には1口か2口の水分をとり、体の水分不足を防ぐ
 (杤久保修さんによる)(読売)

足ツボ「痛きもちいい!」

心のコリもほぐしてくれる足ツボマッサージ。自分でやる方法がある。
 「指をのぞいた足裏の真ん中が腎臓のツボです。まずは、両足にある、腎臓、尿管、そしてぼうこうの働きをよくするツボを押しましょう。体内の老廃物が尿に排出されやすくなるので、解毒作用もあります」
 第二の心臓といわれる足の裏には、臓器などの器官に対応するツボが数多くある。押して特に痛い部分は、器官の調子が悪い可能性がある。そのため、ツボを押したり、もんだりして刺激を与えることで、器官を本来の働きに戻す効果があるとされる。同時に、血行もよくなり、足の裏に蓄積した老廃物もよく巡るようになる。
 体内の異常がなぜ足の裏に表れるのか。マッサージに関する著書が豊富な五十嵐康彦さんによると、神経にツボと特定の器官をつなげる特殊な回路があるという説や、東洋医学独特の「気」の流れによるとの説などがあるという。「科学的には解明されていないが、足裏のツボが特定の器官と対応していることや、刺激により生じる効果は認められている」と強調する。
〈ツボ押しの基本〉
 〈1〉まず足を洗って清潔にする。 〈2〉いすの上でも床の上でもリラックスした姿勢をとる。 〈3〉足の表側に片手を添えると安定感が増す。 〈4〉食後30分は避ける。 〈5〉靴下をぬいで素足を押す。 〈6〉市販の棒などは使わずに、自分の手で押す。 〈7〉手や足の皮を保護するため、せっけんやクリーム、オイルを使う。 〈8〉押した後は、湯冷まし(約200cc)を立ったまま飲んで、尿が出やすいようにする。 「Matty式足ツボ 10分解毒マッサージ」(読売)

Wednesday, September 23, 2009

腹黒い

意地悪(mean)で陰険(sly)、心に何か悪巧みを持っている(crafty)ような人――。あなたの周りにも、こんな「腹黒い」タイプがいませんか。black‐hearted, conniving,maliciousなどが「腹黒い」の英訳として可能です。
 昨年、北京五輪柔道金メダリストの石井慧選手が福田首相(当時)と面会し、その後記者団に語ったコメントがちょっとした物議をかもしました。
 「福田総理は腹黒いところがないので人気がないのかもしれない」(Prime Minister Yasuo Fukuda is probably not popular because he’s not so wicked.)
 褒め言葉のつもりだったのでしょうが、「腹黒い政治家」(scheming politician)と言うと、駆け引き(maneuvering)や寝技(behind‐the‐scenes dealings)にたけている人物を指し、ふつうはネガティブなイメージです。
 日本語には「腹」を使った慣用句が多数あります。「腹を決める」(make up one’s mind)、「腹の虫が治まらない」(cannot contain one’s anger)、「腹を割って話す」(speak frankly)などが、すぐに思いつくでしょう。相手の意図を知ろうとして心をうかがうことを「腹を探る」と言いますが、こちらは try to figure out one’s true intentionsと英訳できます。ちなみに、「痛くもない腹を探られた」は、I was unduly suspected.です。
 今回の総選挙では、民主党の大勝もあって、多くの新人議員が誕生しました。腹黒いのは政治家として当然の資質――などとは考えずに、まずは「腹を据えて」(prepared[determined]to do any job)国政に参加してほしいものです。(桜井陽介記者)(読売)

Monday, September 21, 2009

赤芽球ろう

強い貧血を起こす、極めて珍しい病気です。赤血球、白血球、血小板などの血液細胞は骨髄で作られますが、免疫の異常で赤血球の元になる「赤芽球」や、若い赤血球である「網赤血球」が傷つけられて極端に減り、赤血球だけが作られなくなります。赤血球は全身に酸素を運ぶ働きがあり、赤血球が減るほど息切れなどの症状が強く出ます。
 診断のためには骨髄液を採取して、赤芽球が極端に少なくなっていることを確認します。
 貧血の症状を改善するために、輸血が必要になることがあります。しかし、質問者も輸血を週3回受けても改善しなかったように、これは応急処置でしかなく、治療としては免疫抑制療法が行われます。
 最も多く使われる薬は免疫を抑えるシクロスポリンで、これを飲むことで、70~90%の人はよくなります。また、ステロイド(副腎皮質ホルモン)などを組み合わせて使うこともあります。ただ、多くは効果が表れるのに1か月から数か月かかります。
 赤芽球ろうは、免疫にかかわる臓器・胸腺に腫瘍ができる胸腺腫や、悪性リンパ腫といった血液の病気、幼児の一過性発疹の「りんご病」を引き起こす「パルボウイルスB19」への感染に続いて起きることもあります。ウイルス感染以外では、薬をやめると、しばしば再発しますので、血液内科の専門医のもとで、副作用にも気を配りながら根気よく治療を続けることをお勧めします。
 浦部 晶夫 NTT関東病院予防医学センター所長(血液学)(東京・五反田)(読売)

アルコール依存

アルコール依存を経験した人の約4割が過去に自殺したいと考え、約2割が実際に自殺未遂経験があることが、国立精神・神経センター「自殺予防総合対策センター」が今年4~6月に行った大規模調査でわかった。
 自殺したいと思った経験は、一般市民を対象にした内閣府の意識調査(昨年実施)の19%の約2倍で、同センターは「改めて、過度の飲酒が自殺の危険因子と確認された。こうした人々への支援が自殺対策として重要」と話している。
 調査は、アルコール依存からの回復を図る人が集まる自助組織「全日本断酒連盟(全断連)」の会員5422人に対し無記名のアンケート形式で行い、85%の4625人(男性4067人、女性521人、性別不明37人)から回答を得た。回答者の平均年齢は60歳で、断酒会に参加して5年以上が57%だった。
 アルコール依存が自殺の危険を高める要因として、調査を担当した研究員の赤沢正人さんは、〈1〉失業や家族との離別を招く〈2〉アルコールの作用で、うつ状態を招いたり、悪化させたりする〈3〉アルコールの作用で、思考力が低下し、衝動的な行動を起こしやすくなる――などを挙げる。(読売)

Saturday, September 19, 2009

志賀原発、異物混入が続発

北陸電力志賀原発2号機(石川県志賀町)で今年4月以降、原子炉や核燃料貯蔵プールから、金属や布など異物が相次いで発見されている。原子炉内から異物が見つかるのは、1993年の1号機運転開始以降、1、2号機を通して初めてのことだ。
 原子炉内に異物が入ると、どんな危険があるのか。経済産業省原子力安全・保安院の山本哲也・原子力発電検査課長は「最悪の場合、燃料棒を傷付け、放射性物質が漏れ出す可能性がある」と指摘する。
 実際、2号機では、外部への放射能漏れはなかったものの、高濃度の放射性ガスが出ている。また、柏崎刈羽原発7号機(新潟県柏崎市・刈羽村)で7月末、通常値を上回る放射線が検知されたのも、異物が入り込み、燃料棒に小さな穴をあけたのが原因とみられている。
 異物が核燃料を傷付けるトラブルは、これまで全国の原発で20~30件起きたが、制御棒を挿入して傷ついた燃料棒を抑え込むことで、放射能が外部に漏れたり、原発が停止に追い込まれたりするケースはなかったという。
 2007年の臨界事故隠し発覚以降、北電は、信頼回復のため、広報体制を見直し、以前なら発表しなかった小さな案件も積極的に公表し情報公開に努めてはいるものの、さらに透明性やわかりやすさに配慮する姿勢が求められる。 志賀原発内では、運転中は北電と協力企業の社員計約600人、定期検査中はピーク時で協力企業の社員約1600人が働く。北電では、協力企業のリーダー社員を指導し、そのリーダーがノウハウを各社に持ち帰り、現場に入る社員を指導しているが、第一線の現場レベルでのミス防止教育は、協力企業に依存する部分も大きいのが現状だ。(読売)

Friday, September 18, 2009

市販のせき止め薬の使用

せきが止まらないとき、まず思い浮かべるのが市販のせき止め薬。
 しかし、どんなせきにも有効というわけではない。「市販のせき止め薬を使用していいのは、たんの出ない乾いたせきの場合」と話すのは、金沢大学病院の藤村政樹准教授(呼吸器内科)だ。
 まずは、せき止めのメカニズムから。せきは、気管内のウイルスや細菌などの異物をたん(粘液)と一緒に体外へ出す、生体の防御反応だ。気管内の気道壁にある細かい線毛が、徐々にたんを運ぶとともに、せきで一気に排出する。
 一方、せき止め薬は中枢神経に働いてせきを止める。つまり、たんがあってもせきは止まってしまう。「そうなると、たんを体外に排出できなくなるばかりか、たんが肺に落ちて肺炎になってしまう危険もある」と、藤村さんは説明する。
 たんを伴うせきが長引く場合は、かぜ以外の疾患が隠れていることもある。「せき止め薬に頼らず医療機関へ」が鉄則だ。
 たんが出ないせきに対しては、薬剤師に相談し、早めにせき止め薬を使うほうがいい。薬を使わないでいるうちに、せき込むことで、のどの粘膜を傷めてしまい、そこから感染を引き起こすことがあるからだ。また、せきは体力をひどく消耗させるし、「映画館や食事に行けない」など、生活上の不自由も生じる。ただ、乾いたせきでも、長引くようなら医師の診察を。
 せきの予防のためには、住まいの環境に気を配ることも大事だ。せきぜんそく、アトピーせきなどのアレルギー性のせきを防ぐには、「じゅうたんを化学繊維のものに換える、ぬいぐるみを置かないなどの工夫も必要。エアコンなどのカビも要注意です」と藤村さん。
 これからの季節、就寝時は、加湿器や湿ったタイプのマスクの使用もお勧めだ。(読売)

Thursday, September 17, 2009

新型インフルワクチン、国内初の治験開始

新型インフルエンザワクチンの有効性や安全性を確認する臨床試験(治験)が16日、国内では初めて鹿児島市内の治験専門の医療機関で始まった。
 初日は成人男女25人に接種。19日まで成人計100人を対象に効果を試す。
 ワクチンはスイスの大手製薬企業「ノバルティス」が製造。日本法人「ノバルティスファーマ」(東京都港区)が治験を行う。
 100人はそれぞれ、3週間後にもう一度接種し、抗体ができたかどうか血液を調べる。成人の安全性が確認されれば、10月から生後6か月~19歳の120人を対象に治験を実施し、12月にはすべての治験を終える予定。18日からは大阪市の医療機関でも成人への接種を始める。
 同社のワクチンの治験は、すでに英国で18~50歳の100人を対象にして行われており、1回の接種でも80%に効果があったとされている。(読売)

Wednesday, September 16, 2009

神経回路つなぎ替えて反対側で機能補完

脳梗塞で体の機能の一部が失われても、左右反対側の脳が神経回路をつなぎ替えて「肩代わり」し、機能を補うことを、自然科学研究機構・生理学研究所(愛知県岡崎市)の鍋倉淳一教授らがマウス実験で突き止めた。効果的なリハビリテーションに役立つと期待される。
 米神経科学会誌に発表した。鍋倉教授らは、右脳の大脳皮質に人工的に脳梗塞を起こし、左足の感覚がほとんどなくなったマウスを使って実験。左脳の大脳皮質を特殊な顕微鏡などで観察したところ、実験後1~2週間に新しい神経回路が生まれたり、消えたりして回路のつなぎ替えが頻繁に起きていた。4週目になると、左足の裏を軽く刺激するだけでマウスが反応するようになったという。
 鍋倉教授は「脳梗塞の回復は、神経回路の再編成と機能回復の2段階で進むと考えられる。それぞれの時期に最適なリハビリを行えば、効果が上がると期待できる」と話している。(読売)

Monday, September 14, 2009

休眠宗教法人が急増

全国約18万の宗教法人のうち、宗教法人法で毎年義務付けられた国などへの報告がない法人が昨年、5年前の2倍近くの1万3400に上ったことがわかった。
 宗教法人は税制面で優遇されており、法人格がブローカーらに売買されて脱税に悪用されるなどの事例が後を絶たない。
 大阪府東部のある宗教法人。所在地とする寺は、現地にそれらしい跡形はない。20年以上前から立っているのは部品工場だ。
 寺の代表権を買い取った会社社長(50)は、東京・六本木ヒルズの高級マンションの住人で、巨額詐欺事件を起こした豊田商事の元営業マン。代表者になった1989年以降、寺の名前を使い、東京の繁華街で、多数のアジア系外国人に托鉢僧の格好をさせ、金を集めさせていたという。
 社長は94年、千葉県にある別の宗教法人の代表者にも就任。その後、高齢者らを相手に「家族全員が地獄におちる」と不安をあおって高額な祈願料や仏具代を支払わせる商法を始め、昨年3月、経済産業省から業務停止命令を受けた。
 京都市内にある別の宗教法人の所在地には、表門に暴力団の代紋を染め抜いた幕が張られている。
 「宗教団体? そんなものはないですよ。あそこに出入りしているのは暴力団関係の人ばかり」と、近所の女性は声を潜めた。
 宗教法人は「信教の自由」への配慮から認証取り消しは出来ない。文化庁は約10年前から、「不活動法人」の解散を進めるよう都道府県に指導。行政側が裁判所に解散請求もできるが、1件あたり数十万円の費用がかかるうえ、命令まで1年以上もかかるケースが多く、同庁が促す自主解散もほとんど進んでいない。(読売)

Saturday, September 12, 2009

暴力団の不法行為には、あらゆる法令を駆使して対応

福岡県警捜査4課と朝倉署は11日、入れ墨があるにもかかわらず、「入れ墨お断り」の看板を無視して入浴したとして、指定暴力団・山口組系組長の藤浦良幸容疑者(54)(福岡県朝倉市甘木)を建造物侵入容疑で逮捕したと発表した。
同県警によると、同様のケースに建造物侵入容疑を適用するのは、極めて珍しいという。
 発表によると、藤浦容疑者は2月、朝倉市内の入浴施設で、「入れ墨のある方の入館は固くお断りします」などと書かれた看板が設置されているにもかかわらず、入浴した疑い。容疑を認めているという。
 藤浦容疑者は背中や上腕部に入れ墨をしており、1月にもこの施設を訪れ、入浴していた。入浴前に男性経営者(43)が「ほかの入浴客に迷惑がかかる」と注意したが、「平日の昼間で客が少ない時なら、よかろうもん(いいじゃないか)」と言って、聞き入れなかったという。
 6月に「暴力団風の男が入れ墨をしたまま入浴している」との匿名の通報が県警に寄せられ、捜査を開始した。
 経営者を脅したりしておらず、入浴料も支払っていたため、脅迫、強要容疑などでの立件は困難だったが、看板や経営者の注意を無視して施設内に入ることは、正当な理由がないのに他人の住居などに侵入する行為に当たると判断。建造物侵入容疑での立件を決め、経営者からの被害届を受理して逮捕した。
 朝倉署の原田博人副署長は「暴力団の不法行為には、あらゆる法令を駆使して対応していく」と話している。(読売)

Friday, September 11, 2009

高齢者施設 誘致の好機

全国で進む「団地の高齢化」問題。その対策の一つが高齢者施設の誘致だ。住民の手で誘致構想をまとめ、それに成功した団地がある。
 千葉県船橋市のほぼ中央に位置する「高根台団地」は県内屈指の規模を誇る。その一角にあるベージュと黄土色のモダンな5階建て。6月にオープンした「高根台つどいの家」で、高齢者住宅やグループホームなどが入っている。住民が基本構想をまとめ、誘致に成功した複合施設だ。
 「高根台」は、1961年に日本住宅公団(今の都市再生機構=UR)が造成した団地で、2000年3月から建て替え工事が始まった。65歳以上の団地住民は約30%。孤独死も発生していたほか、認知症とわかる住民が団地内を徘徊していることもあった。(読売)

Thursday, September 10, 2009

長命というより長寿沖縄県

長生きのことを長命といい、最近は長寿という言葉がもてはやされています。しかし長命と長寿には本来違った意味合いがあります。長寿は寿ぐべき長命を意味しています。ところが最近、官庁などでは長寿対策と称して要介護(寝たきりや認知症)の問題を主として扱っているようです。ところで英語で言うlongevityは「並外れた長生き」を意味しており、「並外れた」は並外れて優れているという意味ですから、単なる長生きではなく、まさに本来の長寿(寿ぐべき長命)を意味します。
 長寿のお祝いにはいずれも「寿」の文字がついていて、99歳の祝いで、一世紀を生き抜いた人のことを指す白寿の他に、米寿(88歳)、傘寿(80歳)、喜寿(77歳)などがあります。私は1975年からCentenarianの研究を始めましたが、適当な和訳がなく「百寿者」という言葉を用いてきました。「新老人」(new elderly)を、日野原重明先生は自立し、次世代の規範となる老人と定義していますから、まさに本来の長寿のことです。
 沖縄は日本一の長命県です。女性の平均寿命(0歳平均余命)は今もトップを誇り、65歳以上の平均余命は日本のトップを維持しています。しかも沖縄には長寿者が多いですから、長命県ではなく、長寿県なのです。
 沖縄県の長寿はどうしてうまれたのでしょうか。それを詳細に紹介したのが拙著の「百歳の科学」であり、「OKINAWA PROGRAM」です。「OKINAWA PROGRAM」の和訳書「オキナワ式食生活革命」には日野原先生の推薦を頂きました。
 日野原先生には、「新老人の会」沖縄支部の立ち上げ支援のため、沖縄で1月、フォーラムを開いて頂きました。2500席の前売り券は2週間で完売となりました。沖縄県民がいかに先生の来沖を首を長くして待っていたかがわかります。予想に違わず素晴らしく熱のこもった講演に聴衆は酔いしれました。先生は傑出長寿のモデルであり、沖縄県民の憧れの的なのです。(「新老人の会」沖縄支部世話人代表、琉球大学名誉教授)(読売)

Tuesday, September 08, 2009

ミニマル・インターベンション

近年の歯科治療は学問の進歩、技術の開発により画期的に発展している。しかし、歯科の病気が治りにくいものであることが本質的に変わるものではない。自分の歯をできるだけ守る、すなわち大きく削ったりしない、神経はなるべく残す、やたらと歯を抜かないことが理想の歯科治療であることは多くの歯科医が認めている。
 世界的な共通認識として理解されているミニマル・インターベンション(体にあまり傷をつけないで治療を行うこと……歯科では最小限の侵襲と訳されている)という言葉は、まさに歯科治療が完璧なものではないことを物語っている。
 「過ぎたるは、なお及ばざるが如し」は、歯科医としての私の座右の銘である。初期のむし歯もさることながら、歯が抜けた時も、なるべく最小限の処置を患者さんに勧める。歯科治療に何を選択するかは、大げさに言うならば患者さん自身の人生観にかかわってくる問題である。歯の治療も大切だけれど、その人にとってはもっと大切なものがあるかもしれない。それを歯科医が間違いと言うことはできないし、非難することもできない。(読売)

インプラント治療の危険性

今ものすごい勢いで広まりつつある歯科インプラント、歯を失ったところに、人工の根を埋め込むインプラント。歯科医院で勧められた皆さんは、部分入れ歯やブリッジより、はるかによい方法であるとか、第二の永久歯と呼んでもよいなどという、夢のような話を多く聞かされたことと思う。
 ところが、インプラントの危険性についてはあまり聞かされていないようだ。インプラントする場所の骨が薄いから、骨を足さなくてはならないとか、神経が近くにあるから手術が難しいなどという説明はあっても、インプラント自体がかなりリスクの高い修復法であることの説明は少ない。
 そもそもインプラントは、部分入れ歯やブリッジなどと違って、神経や血管が分布している骨の中にまで入り込む外科手術の一つであることを肝に銘じなければならない。
 歯科医はその教育課程の中で、インプラントの臨床実習はない。ということは、歯科医師免許を取得してから研修することになるが、もちろん1日や2日の講習会ですべてを覚えられるものではない。ところが術式そのものはそんなに難しくなく、しかも高額の治療費を要求できるので、歯科医が安易に取り入れる傾向にある。
 まだ保存可能な歯を残す努力もしないでインプラント治療を勧める、なんて考えたくはないが、そういう話も聞こえてくる。
 半分を骨の中に埋め、残りの半分を口の中に露出しているインプラントは、常に生体の拒絶反応と感染の恐れにさらされている。そのため感染対策が十分でないと、歯周病のようにインプラントの周囲が腫れてしまい、ぐらぐらとなってインプラントを除去しなくてはならない。
 手術中に神経を傷つけて唇のまひがいつまでも続いたり、血管を切って極度の内出血が起こったりして、訴訟問題にまで発展することも多い。(読売)

Monday, September 07, 2009

必要最小限の「単剤療法」

三重県四日市市の統合失調症の男性(36)は、アパートで独り暮らしをしながらアルバイトに励んでいる。市内の精神科病院「総合心療センターひなが」を4年前に退院し、薬は1日1種類だけ。副作用の少ないタイプの薬を必要最小限の量使うことで、病状は安定しつつ、日常生活も支障なく送っている。
 しかしこの男性も1997年、同病院に初めて入院した時には、全く違う治療を受けた。2種類の抗精神病薬を含む4種類の薬を使い、吐き気やだるさなど副作用に苦しんだ。そのせいで退院後は薬を飲まなくなり、通院もやめてしまった。
 被害妄想が強まるなど病状は悪化し、2002年暮れに再び入院。ところが、今度は前回のような大量の薬が使われることはなかった。実はちょうどこの頃、同病院は治療方針を大きく変えようとしていた。
 この年の夏、日本で精神科の国際学会が開かれた。抗精神病薬を2剤以上使うのは効果より副作用などのマイナス面が大きく、世界では1種類のみ使う単剤療法が標準だ。これに対し、多種類、大量の薬を使うのが一般的な日本の特異さがクローズアップされた。
 同病院も当時、例外ではなかった。海外との違いに衝撃を受けた院長の藤田康平さんは、薬を減らすための取り組みを始めた。
 「担当医一人で治療を決めていることが、安易に薬を増やす一因」との反省から、毎週1回、21人の常勤医全員が集まり、新たな入院患者の治療方針を話し合うようにした。各医師ごとの処方量は半年ごとに一覧表にし、処方量の多い医師には改善を促した。
 自分が病気だという認識がなく「薬は必要ない」と拒む患者を無理に薬で抑えようとすると、治療への抵抗感から余計に大量の薬が必要になる場合がある。看護部副部長の中村よしみさんは「時には1時間以上も患者と話し合い、薬の必要性を納得してから飲んでもらうようにした」と話す。
 こういった取り組みで、統合失調症の入院患者における1種類の薬だけを使う単剤化率は、2003年には27%だったのが、この男性が退院した2005年には54%へと大きく増えた。
 単剤化率の高さは、病院選びの指標になる。しかし、読売新聞が5月、全国の主要病院に行ったアンケートでは30%台が最も多いなど依然低い施設が目立ち、90%台から0%まで格差があった。藤田さんは「患者の社会復帰のためにも、単剤化は欠かせない」と訴える。(読売)

Thursday, September 03, 2009

流されやすい人は、右脳の働きが弱い

常識や雰囲気に流されやすい人は、論理的に考える際に活発になる右脳の部位の働きが弱いことが、慶応大の辻井岳雄准教授(認知神経科学)らの研究で分かった。米誌に発表する。
 研究チームは、大学生ら48人を対象に、「鯨は哺乳類。哺乳類は歩ける。よって鯨は歩ける」のように、常識ではありえないが、三段論法では正解となる問題を50問出題。同時に、右脳前部の「下前頭回」と呼ばれる論理的思考をつかさどる部位の働きを調べた。
 その結果、三段論法の問題の正答率が高いほど下前頭回の働きが強い傾向があり、100点だった人は、20点ほどの人に比べ、下前頭回が4倍近く活発に働いていた。
 研究チームは「下前頭回の活動の弱い人は、論理的な思考より、常識や雰囲気に流されやすい傾向がある」と分析している。(読売)

Tuesday, September 01, 2009

カルトネーロ

アルゼンチンには未だに分別廃棄のシステムがないが、実は、ダンボール、ガラスびん、木材、金属などに関しては最終的には「分別収集」されている。貧困層の間に「カルトネーロ(訳すると「ダンボール屋」)」という職業があり、夜間に都市のゴミ置き場をリヤカーで回ってゴミをあさり、中から特定のものだけを拾い出して売りにいく。
この人たちは社会的になくてはならない存在で、カルトネーロからダンボールを買い上げる専門業者もいれば、ブエノスアイレスの周辺部のスラムに住むカルトネーロを都心に運ぶために毎日夕方に運行される、「Tren Blanco(白い列車)という」専用列車まで存在する。

ホリスティック医療

Holistic(ホリスティック)という言葉は、ギリシャ語のholos(全体)を語源としていて、派生した言葉にwhole(全的)、heal(癒し)、holy(聖なる)、health(健康)、などがあります。 ホリスティック医療には統合医療、代替医療、また西洋医療を補完する補完医療があり、それぞれ微妙な違いはありますが、人間を「体・心・気・霊性」等の「LOHAS(ロハス)的繋がり」ととらえ、社会・自然・宇宙との調和に基づく包括的な健康観です。 現代医療(西洋医療)は、患部や病気に素早く働きかけ病気を治します。しかし弊害も多く、副作用の伴うことの多い薬剤、現代医療の限界を感じる医療現場などから見直され、人間の自然治癒力に働きかけて、心とからだのバランスを回復させるいろいろな治療法が試みられています。 西洋医療は、特に生活習慣病、アレルギー、痛み、メタボリックシンドローム、鬱病などに効果を発揮しないケースがあり、人と自然の繋がりを大切にするホリスティック医療(統合医療・補完医療・代替医療)が注目されているのです。