Tuesday, January 26, 2010

自殺者数3万2753人

昨年1年間の全国の自殺者数は3万2753人で、前年より504人(1・6%)増加したことが26日、警察庁のまとめでわかった。
 自殺者が3万人を超えるのは1998年以来、12年連続で、過去5番目に多かった。男性の自殺者が増加した。同庁は今春をめどに動機や年齢別などの詳しいデータをまとめる。
 自殺者のうち男性は前年より575人増の2万3406人で、女性は71人減の9347人。
 月別では、3~5月が3000人を超え、上半期は過去最悪だった2003年に迫るペースだったが、6月以降は2000人台に減少。9月以降は前年を下回った。
 都道府県別では、東京が最も多い2989人で、大阪1982人、神奈川1798人、埼玉1796人、愛知1623人の順。前年との比較では、大阪(146人減)、北海道(127人減)など17道府県で減少したが、埼玉(143人増)、千葉(122人増)など28都府県で増加した。(読売)

Tuesday, January 19, 2010

排水・ばい煙のデータ改ざんに罰則

環境省は、工場が排水やばい煙のデータを改ざんした場合に罰則を科せるよう、大気汚染防止法と水質汚濁防止法の改正案を来月上旬にも国会に提出することを決めた。
 河川や大気汚染防止のためデータの記録は義務付けられているが、改ざんが相次いだため、罰則が必要と判断した。
 改ざんなどの不正は2004年以降、製鉄や製紙、食品などの工場で14件が判明。公害防止協定に基づく自治体への報告などで、ばい煙中の窒素酸化物の濃度や排水中の化学的酸素要求量(COD)の測定値を書き換えたり、基準値を上回らないように工場排水に川の水を混ぜたりしていた。
 両法は、基準を超える汚染物質を含んだ排水やばい煙を出した工場に対する罰則を設けているが、データ改ざんは一部のケースを除き罰則がない。
 企業や自治体の環境対策の関心が地球温暖化問題やごみ問題に移り、公害への危機感が薄れていると同省はみており、汚染源となった工場に自治体が改善命令を出しやすくする規定も改正法に盛り込む。(読売)

Saturday, January 16, 2010

寒い浴室危険

入浴中に具合が悪くなり救急搬送される高齢者は少なくない。冬は、寒い浴室から熱い湯に入ることで、急激に血圧が変動し、脳への血流が悪くなって失神するためとみられる。「浴室を暖かくして、室温と湯温との差を小さくして」と専門家は注意を促している。
 東京消防庁の統計によると、2008年に水による事故で搬送された高齢者297人のうち、家庭内の浴室での事故が約7割にあたる211人だった。このうち81人が死亡、108人が重篤で、入浴による事故は命にかかわる問題だ。浴室での事故による搬送は01年の121人から増加傾向にあり、06年が160人、07年は182人で、08年が最も多かった。
 東京都老人総合研究所の副所長、高橋龍太郎さんは「はっきり原因の究明はされていないが、寒い浴室から熱い湯に入るという急激な温度変化が主な要因と考えられている」と説明する。
高齢者は若い人に比べ、急激な温度変化に適応しにくい。古い戸建て住宅では冬場の浴室が寒いことが多い。「寒いところから熱い湯に入ると、血圧が急激に上昇したあと急激に低下する。その結果、脳への血流が悪くなり、失神するのではないか」という。
 高橋さんは、いくつかの事故予防策を挙げる。
 〈1〉室温と湯温の温度差を小さくする。湯温は40~41度まで、浴室は20度以上にする。
 〈2〉長湯はしない。〈1〉の温度条件で5分を目安にする。
 〈3〉湯船から出るとき、一気に立ち上がらない。立ち上がるときに握るための手すりをつけたり、腰を下ろせる場所を設けたりするといい。
 〈4〉食事の後やアルコール摂取後は、血圧が下がりやすくなるので入浴は控える。
 〈5〉夜遅い時間帯の入浴は避ける。体の生理的な働きが活発で、人の目がある、昼間の明るいうちに、できれば入浴したい。一人暮らしの場合は、公衆浴場の利用もお勧め。
 「入浴中の事故は持病の有無にかかわらず、起こっている。高齢で元気な人でも油断は禁物です」と高橋さんは注意を促している。(読売)

Wednesday, January 13, 2010

高齢者の冬対策(風邪・下痢)

冬に多いのが感染症。高齢者のため、本人や家族は家庭で何に注意すべきか。
 「訪問看護の利用者に、インフルエンザの発症はそれほど見られない。最も多いのは風邪」。在宅医療に詳しい、聖路加国際病院・訪問看護ステーション所長の押川真喜子さんはこう指摘する。だが、高齢者は風邪により、菌を含んだたんなどが肺に入り、肺炎を起こす恐れも高くなる。「単なる風邪と侮れない」と強調する。家族は帰宅の際、手洗いとうがいの徹底が必須だ。
 風邪で発熱した場合、こまめな水分補給が欠かせない。高齢者は普段から水分摂取量が少なく、脱水症状に陥る恐れがあるからだ。水やお茶のほか、ゼリーやスポーツドリンク、果物をすりつぶしたジュースなどもいい。押川さんは「栄養バランスを心配する家族も多いが、水分補給を優先すべきだ」とアドバイスする。
 下痢を起こしたら、ノロウイルスなどの冬の感染症を前提にするのが鉄則だ。ノロウイルスによる胃腸炎は下痢や嘔吐、腹痛を起こす。冬季に流行するが、特に高齢者と子供は発病しやすい。便には大量のウイルスが含まれている。オムツを使用している場合、介護する家族は使い捨てのビニール手袋をはめてオムツを替え、その後は、必ずせっけんを使い手洗いを。オムツはビニール袋に入れて密封して捨てる。
 手袋の使用には抵抗感を持つ家族もいるが、押川さんは、「愛情がないと思わないで。ほかの家族に感染を広げないことも大切」と話す。下痢が続くと脱水が心配なので、やはり水分補給を怠らないようにしたい。
 押川さんは「高齢者は寒がって厚着をしたり、暖房の温度を上げすぎたりする傾向にあるが、かえって熱が出る原因になる。掛け布団や衣服をこまめに調整してほしい」と話す。
ノロウイルス予防の注意点
 〈1〉帰宅時、食事前には流水・せっけんで手洗いを。
 〈2〉貝類の内臓を含む生食は感染の原因になることがある。高齢者は避ける方が無難。
 〈3〉調理や配膳は、十分に手を洗ってから。
 〈4〉衣服や物品、嘔吐物を洗い流した場所の消毒は、次亜塩素酸系消毒剤を使用。 (国立感染症研究所感染症情報センターのHPより)(読売)

Tuesday, January 12, 2010

低温やけど注意

冬本番。高齢者が寒い冬を快適に乗り切るために、何を心がけるべきか。
 まずは、やけどの予防から。湯たんぽを布団にしのばせたり、電気あんかを使うと、温かくてよく眠れそうだが、低温やけどを起こす恐れも。特に高齢者はリスクが高い。
 低温やけどは、温かく心地よいと感じる程度でも、皮膚の同じ部分が長い時間触れていると起きるのが特徴だ。介護老人保健施設「ひとりざわ」(横浜市)の施設長で、皮膚科医の加藤安彦さんは「低温やけどは、じわじわと皮膚の深い組織にまでダメージを受ける。それでいてあまり痛みを感じないため、本人は気づかない」と指摘する。
 独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)によると、この13年間で報告された低温やけどの事故は77件。出荷個数が増加している湯たんぽが最多の26件だった。
 事故の一因は、高い保温性。兵庫県立生活科学総合センターでは、カバーをした熱湯入りの湯たんぽを2枚の毛布にはさみ、寝床の布団の中で温める想定での実験を行った。すると、湯たんぽの表面温度は6時間以上、45度超を維持した。高齢者は加齢に伴い皮膚感覚が鈍りやすい。「湯たんぽを皮膚から離したつもりでも、朝になって接していることもあり、やけどを起こしやすい」と加藤さん。
 このため、NITEでは、別表のような防止策を呼びかけている。NITE製品安全センター参事官の長田敏さんは「ほとんどの事故は利用者が正しく使用すれば防げた」と指摘する。
 低温やけどの治療は時間がかかる。やけどの面積は広くないものでも、ダメージを受けた組織を切り取るなどの治療が必要なためだ。加藤さんは「特に高齢者は治りも遅い。予防のためには、商品の注意書きをよく読むことが必要だが、家族が使い方をよく観察してほしい」と指摘している。
 低温やけどの防止策
 ◆同じ部位を長時間温めない。
 ◆温まったら湯たんぽは布団から出し、電気あんかはスイッチを切る。
 ◆使い捨てカイロや、靴・靴下用カイロは、目的以外の部位では使用しない。(読売)

Sunday, January 10, 2010

ホスピスは不要の時代に

大阪市北区の総合病院「北野病院」(七百七床)の副院長で消化器外科医の尾崎信弘さん(54)は「ホスピス(緩和ケア病棟)が将来とも必要だろうか」と意表を突くことを言った。
 わが国のホスピスは、診療報酬上の優遇もあって一九九〇年代初頭から全国に広がった。ホスピスの果たした役割は大きい。以前はがん末期などで痛みのあるのは当然とされていたが、ホスピスでの医療用麻薬などの適切な使用で多くの場合、最期まで苦しまなくてすむようになったからだ。
 「治療手段が限られているときには、すぐに緩和ケアをするしかなくなってしまう。だが治療法はどんどん増え、治療と緩和ケアを同時に行う時代にきている」と尾崎医師。「どんな病棟であっても緩和ケアが適切に行えればいいわけです」と強調する。
 最近のがん治療は各診療科の協働作業になってきた。治療の選択肢が広がったのはいいが、担当医がコロコロ代わることで“見捨てられた”と不安を抱く患者が増えてきたという。
 北野病院では外科医の尾崎医師らが手術後の患者について、必要に応じて院内の緩和ケアチームに疼痛(とうつう)緩和をしてもらうが、主治医としての責任を最後まで果たす方針を貫き、患者の不安解消にも努めている。
 緩和ケアが広範に行われ、医療スタッフによる支援体制が充実し、ホスピスが不要になる日が待ち遠しい。 (日比野守男)(東京)

Thursday, January 07, 2010

ゲルマニウムががんに効く?

「ゲルマニウムががんに効く」などとうたい、医療機器を無許可で販売したとして、兵庫県警生活経済課などは6日、同県尼崎市の医療機器製造販売会社「ルルドゲルマニウム」実質経営者・田中好信容疑者(59)(兵庫県伊丹市)を薬事法違反(無許可製造販売)容疑で逮捕した。
 この医療機器を製造したとして、大阪市北区の同「プロテックフジ」社長・和田正記容疑者(55)(大阪府豊中市)も同法違反ほう助容疑で逮捕した。2人は「(国の許可が必要な)医療機器ではなく、健康器具だ」などと容疑を否認しているという。
 ル社はホームページで「腫瘍や脳梗塞にも効果的」などと宣伝し、約2年間で約40台(約5000万円)を売り上げていたという。
 捜査関係者によると、田中容疑者は2007年9~11月、和田容疑者に依頼して、厚生労働大臣の許可を得ず温熱治療器「Geジェネワン」3台を約40万円で製造させ、同年12月~09年1月、68~34歳の男女3人に計345万円で販売した疑い。
 この治療器は、ゲルマニウムを患部に当てて、熱とマイナス電子を照射する仕組みといい、ル社は「疾患のがん細胞を死滅させ、細胞を正常にする」などと効果を説明していたという。
 国民生活センターは「現時点で、ゲルマニウムの治癒効果に科学的根拠は認められない。購入の際は、健康への効果を期待しないよう注意してほしい」と呼びかけている。(読売)

Monday, January 04, 2010

高齢社会と長寿社会

昭和20年の日本の平均寿命は、男が23・9歳、女が37・5歳。戦争による理不尽な大量の死者がいたからです。今だって、私たちが全力を挙げて支援しなくてはいけないのは、疾病、貧困、飢餓、戦乱などによって、天寿をまっとうできない国です。
 長寿国は理想国。次の世代を残すだけでなく、一人一人が個性を伸ばすこともできる。そして、人間が持っている「良いところ」を刺激して、良い社会をつくっていく機会だと思う。
人間って複雑きわまりない存在だけど、その割に寿命が短かった。だから、同じ過ちを繰り返してきたと思う。例えば広島の被爆者の方たちが今も生きていて、体験を訴えている。ベトナム帰還兵の人たちの心の傷の深さが問題になってPTSD(心的外傷後ストレス障害)の研究が進むまでに20年、30年ぐらいかかっている。つらい体験を語るには長い年月がかかるけれど、体験者がいることで、共に生きる人の言葉として受け止め、教訓にできます。(評論家・樋口恵子さんのお話から)

Sunday, January 03, 2010

アルコールと病気

アルコール依存症の患者は約80万人と推計されています。健康や仕事への意欲を損なったり、家で暴力を振るったりするなどの、依存症になる一歩手前の人も含めると、200万人を超えます。
毎日の飲酒量が日本酒換算で3合(アルコール60グラム)以上になったら要注意です。男性患者では5合以上飲む人が多いのですが、女性は3合程度でも依存症になることがあります。
 性別に関係なく、臓器への悪影響は3合未満でもあります。肝臓を傷めたり生活習慣病を招きます。毎日飲酒を続けるのは避け、多く飲んだ翌日は全く飲まないなど、メリハリをつけることが大切です。
体に入ったアルコールは、悪酔い物質のアセトアルデヒドに分解され、最終的には水と二酸化炭素に変わります。分解速度には遺伝による個人差があります。アセトアルデヒドの分解が遅く体にたまりやすい人では、顔が赤くなったり、気持ち悪くなったりします。
日本人は、赤くならない人が5割、多少飲めるが赤くなる人が4割、全く飲めない人が1割の割合です。
赤くならない人は、飲酒量が非常に増え、肝臓や膵臓の病気を起こしやすくなります。また最近の研究で、赤くならない人でもアルコールの分解は遅い人もいることが分かりました。酒に強そうに見えて、実は酔いが長く続いているわけで、最も依存症になりやすいタイプです。
飲み始めは酔いを感じにくいために飲酒量が増え、依存症になることもあります。また、アセトアルデヒドによって消化管の粘膜などを傷め、食道がんや喉頭がんなどを発症しやすくなります。
多量飲酒者は、肝機能や生活習慣病の悪化を招きます。内科を受診して、いったんは良くなっても、多量飲酒を改めなければ、再び病気が悪化して治療を受け、その繰り返しで医療費が増えます。
アルコール関連疾患の医療費は総医療費の7%という試算もあり、約2兆3000億円にもなります。節酒指導を積極的に行う必要があります。(佐藤光展)(読売)

Friday, January 01, 2010

高齢者の不注意で火災

高齢者の不注意が原因で発生した火災が増えているとして、東京消防庁が注意を呼びかけている。加齢に伴う身体機能や注意力の低下が火災に結びつくケースもある。
 同庁が65歳以上の高齢者の火災状況などを調べた「災害と防災環境からみる高齢者の実態」によると、2008年に、火を消し忘れたり、ストーブにものを落としたりして、高齢者の行為が出火につながった火災は計514件。東京都内で昨年に起きた火災に占める割合は8・9%で、04年以降では件数、割合とも最多だった。このうち死者は53人、負傷者は179人。
 514件の火災を出火原因別に見ると、ガスコンロなどの「台所関連」が最も多く178件。テレビの視聴や来客で火をつけたまま台所を離れてしまったり、火に衣服が接触したりする例が目立つ。
 また、03~08年の火災による死者計572人の死亡時の状況調査を、高齢者と成人に区分してみると、状況が判明した計339人のうち、高齢者の106人、成人の91人が「就寝中」に死亡。高齢者の場合、「家事従事中」に14人(成人3人)、「休憩中」に12人(同1人)、「暖をとっているとき」に4人(同0人)が亡くなっていた。成人に比べ、起きている時でも火災に巻き込まれる危険性の高いことをうかがわせた。
 同庁生活安全課の荏原哲生さんは「高齢者は視力や聴力などの身体機能や注意力が衰えている。火事に気づかなかったり、避難に時間がかかったりして、結果的に深刻な事態に陥ることが多い」と話す。
 このため、火災警報器の設置はもちろん、防炎性のエプロンや腕カバー、布団を使うなど、「あらかじめ危険を取り除くような対策を講じてほしい」と呼びかけている。(読売)