Saturday, April 30, 2011

義援金、被災者に届かない

東日本大震災で寄せられた義援金の給付が進まない。岩手、宮城、福島の3県へ日本赤十字社などから送られた約580億円(第1次分)のうち、被災者の手元に届いたのは1割にも満たないことが、読売新聞の調べでわかった。
 事務を担当する市町村側で職員が足りなかったり、住民への通知や本人確認が出来なかったりし、足踏み状態が続いている。
 日赤や中央共同募金会など4団体と被災した15都道県による「義援金配分割合決定委員会」は今月8日、死亡・行方不明者1人当たり35万円、住宅の全壊・全焼は1戸当たり35万円、半壊・半焼は同18万円を各世帯に配ることを決めた。
 宮城県には計約238億円が配分されたが、実際に受け取った被災者は、ほとんどいない。全職員の7人に1人が死亡・行方不明となった同県南三陸町では、戸籍が流失するなどして受取人の確認が難しいことに加え、町外への避難も十分把握できないという。「事務量が多く義援金にまで手が回らない」と、町職員から悲鳴が上がっている。
 岩手県には約101億円が配分されたが、29日現在、申請を受け付けているのは、対象23市町村のうち宮古市など5市町村のみ。野田村が、県と村の独自分を上乗せして259人に計1億4002万円を渡しただけで、他の自治体では支給はこれからだという。(読売)

甲状腺から微量ヨウ素、イスラエル駐日大使

イスラエルのベンシトリット駐日大使が帰国後、中部のソレク核研究センターで検査を受け、甲状腺から微量の放射性ヨウ素が検出されたことが分かった。29日付のイスラエル・ハヨム紙が伝えた。詳しい数値は不明だが、健康に影響のないレベルだという。
 大使は、18日に始まったイスラエルの過ぎ越し祭に合わせて帰国し、28日に日本に向けて出発した。数カ月後に検査のため再び帰国する。大使は同紙に「健康状態については心配していない。パレスチナ情勢の方が気になる」と語ったという。(エルサレム共同)

Friday, April 29, 2011

福島第一原子力発電所の事故対策統合本部は28日、作業員の被爆低減のため5月から国産技術を活用した無人放水車や放射線測定ロボットを相次いで投入する計画を発表した。

東日本大震災による地盤沈下により、仙台平野で海抜0メートル以下の地域が、震災前の3平方キロから、阿武隈川河口付近を中心に16平方キロと、5倍以上に拡大したことが、国土交通省の調査でわかった。
 満潮時に海面以下となる場所も32平方キロから、1・8倍の56平方キロに広がったという。
 津波で防潮堤の損壊が甚大なため、今後、余震による津波や台風時の大波などで浸水する危険性が高まっており、同省や周辺自治体は、防潮堤や阿武隈川などの河川堤防について応急的な復旧を急ぐ。(読売)

無人放水車やロボット、原発現場へ

福島第一原子力発電所の事故対策統合本部は28日、作業員の被爆低減のため5月から国産技術を活用した無人放水車や放射線測定ロボットを相次いで投入する計画を発表した。
 ロボットを利用することで、作業員の安全を確保するとともに、作業の迅速化を狙う。
 無人放水車は、使用済み核燃料一時貯蔵プールへの注水に使われるドイツ社製の生コン圧送機に、東芝や日立製作所の遠隔操作システムを搭載する。作業員が圧送機に乗って操作する必要がなくなり、被曝を避けることができる。
 放射性物質で汚染されたがれき探しにも、日本原子力研究開発機構が開発した遠隔システム「チームニッポン」を導入する。トラックの荷台に、ガンマ線を測定するカメラを設置。放射線を遮蔽した荷台の中に人が入り、10~100メートル離れた場所からがれきのガンマ線を測定する。また、米エネルギー省から提供された全地球測位システム(GPS)搭載の小型ロボット「タロン」を荷台から遠隔操作して、放射線量の分布を示す「汚染マップ」を作成する。(読売)

Thursday, April 28, 2011

核燃料損傷で放出?放射性物質2種、敷地で検出

東京電力は27日、福島第一原子力発電所の敷地内土壌から、放射性物質アメリシウムとキュリウムを検出したと発表した。
事故に伴う核燃料の損傷で放出されたとみられる。プルトニウムと同様に、原子炉の運転で生成される元素で、吸い込むと肺にとどまり、がんを引き起こす危険性がある。今回の検出量はごく微量で、人体に影響ないという。
 東電によると、土壌は敷地内の2地点で、3月28日に採取。うち1号機の西北西約500メートル地点の土からは、1キロ・グラムあたりアメリシウム241が0・033ベクレル、キュリウム242、243、244が0・2~4ベクレル検出された。(読売)

Sunday, April 24, 2011

[惨事ストレス]被災地で活動後、心身不調

東日本大震災が発生して1か月が過ぎた。被災地では、様々なボランティア活動に励む人たちも数多くいるが、見聞きした悲惨な体験に思い悩み、被災地を離れた後に心身の不調を訴える場合がある。(利根川昌紀)
団体職員の財部憲治さん(23)は3月、宮城県気仙沼市にボランティア活動に赴いた。現地では、インターネット上に避難所の場所を示す地図を作ったり、避難所に食品や衣類などの物資を届けたりする活動を行った。
 避難所では、地元の人たちから津波からいかにして助かったかという話を聞いた。だが、寝たきりのおばあさんに「ごめん」と言い残し、家を飛び出したという親戚の話をする人もいた。
 財部さんは1週間活動し、自宅のある都内に戻った。だが、その後、津波の犠牲になったおばあさんの話が頭から離れず、眠れない日が続いた。
 「生き残った親族は、この思いを一生背負って生きていかなければならないのかと考えると、気持ちが重くなりました」
 財部さんは、高校時代の友人にこの話をした。すると、少し気持ちが落ち着いた。「自分一人で抱え込んでいた体験を友人と共有することで、気が楽になったのかもしれません」
 災害時の応急手当ての講習会を開くNPO法人「日本ファーストエイドソサェティ」代表の岡野谷純さんは、「被災地で悲惨な出来事を見聞きすると、精神的なショックを受けたり、もっと活動できたのではと自分を責めてしまったりし、眠れなくなったりやる気を失ったりしてしまうことがあります」と話す。
 こうした状況は「惨事ストレス」と呼ばれる。岡野谷さんは「ボランティア活動に行こうと考えている人は、惨事ストレスが起こる可能性があることを前もって理解してほしい」と訴える。
 惨事ストレスにはどう対処したらいいのか。筑波大人間総合科学研究科教授(社会心理学)の松井豊さんによると、
(1)体を休める
(2)家族や仲間と一緒に過ごすようにする
(3)被災地での体験を人に話す
――ことが大切だという。
 松井さんは「体の疲れを取ったり、家族や仲間に自分がしたつらい経験を理解してもらったりすることで、心身の緊張や不安感を和らげることができます」と説明する。
 通常、惨事ストレスは被災地から戻った直後に強く、その後は時間とともに減っていく。だが、いつまでも症状が続いたり、1年近くたってから突然つらかった経験を思い出したりする場合もある。
 そうした場合は、精神科医や臨床心理士といった専門家によるケアが必要だ。
 松井さんは「惨事ストレスが起こることは異常なことではありません。ただ、いつまでも1人で悩んでいると重症化してしまうので、医師に相談するなど早めに対処することが重要です」と話している。(読売)

Saturday, April 23, 2011

首都圏地盤に力、南関東のM7級誘発も

東日本大震災で起きた地殻変動の影響で、首都圏の地盤に力が加わり、地震が起きやすい状態になっているとの解析結果を、東京大地震研究所のグループが22日、発表した。
 解析結果は、大震災後に発生した地震の分布ともほぼ一致している。同研究所では、国の地震調査委員会が今後30年間に70%の確率で起きると予測しているマグニチュード7級の南関東の地震が誘発される可能性があるとして、注意を呼びかけている。
 同研究所の石辺岳男・特任研究員らは、首都圏で過去24年間に起きた約3万の地震で破壊された領域が、大震災でどのような影響を受けたかを解析。地震が起きやすくなる力が働く領域は約1万7000で、起きにくくなる領域の約7000よりも多いことが分かった。震源が30キロよりも浅い地震は静岡県東部から神奈川県西部で、30キロよりも深い地震は茨城県南西部、東京湾北部で起きやすくなっていることが判明した。(読売)

Thursday, April 21, 2011

脂肪吸引手術で女性死亡、執刀医を逮捕

東京都豊島区の品川美容外科池袋院で2009年、脂肪吸引手術を受けた荒川区の無職前田京さん(当時70歳)が死亡した事故で、警視庁は20日、執刀医の堀内康啓容疑者(37)を業務上過失致死容疑で逮捕した。
 同庁は当初、書類送検の方針だったが、堀内容疑者が「通常の通りの手術を行っており、自分に過失や責任があるのかどうか分からない」などと供述しており、証拠隠滅の恐れもあるとして、逮捕に踏み切った。
 同庁幹部によると、堀内容疑者は09年12月2日、前田さんの腹部の皮下脂肪を吸引する手術の際、吸引管で誤って内臓を9か所傷つけ、2日後、嘔吐などによる脱水症状で死亡させた疑い。(読売)

Thursday, April 14, 2011

震災後の訪日外国人73%減

独立行政法人・日本政府観光局が14日発表した3月の訪日外国人数(推計値)は、前年同月比50・3%減の35万2800人で、落ち込み幅は過去最大だった。
 東日本大震災後の3月12~31日に限れば、前年同期の73%減だった。震災で観光地や交通機関が大きな被害を受けたのに加え、東京電力の福島第一原子力発電所の事故で一部の国が日本への渡航自粛を呼びかけたため、全国の観光地を敬遠する動きが広がったためだ。
 国別では、韓国が47・4%減、中国が49・3%減、米国が45・6%減などと軒並み落ち込んだ。海外の旅行会社が、日本を訪れる旅行商品の企画・販売に慎重になっており、原発事故が収束しなければ回復は難しい情勢だ。(読売)

学校の放射線量、早期に基準示す・・文科相

国会では14日、各委員会で東日本大震災への対応を巡る質疑が相次いだ。
 枝野官房長官は参院内閣委員会で、福島第一原子力発電所事故で被害を受けた住民への損害賠償の範囲について、政府が避難や屋内退避の指示を出した30キロ・メートル圏内に加え、近く設定する計画的避難区域内の世帯もすべて対象に含める考えを示した。枝野長官は「30キロ・メートル圏内はすべての世帯を対象とすることで詰めている。30キロの外側は計画的避難区域に指定されれば対象になる」と述べた。
 高木文部科学相は参院文教科学委員会で、「(福島県内の)学校や通学路の放射線量を再調査している。まとまり次第、速やかに決めたい」と述べ、国として早期に基準を示す考えを明らかにした。
 鹿野農相は参院農林水産委員会で、被災農家の雇用対策について、「緊急災害復旧事業として、がれきの除去や用水路の土砂上げなどに取り組まないといけない。農家にも作業員として働いてもらうことが第一段階ではないか」と述べた。(読売)

Wednesday, April 13, 2011

放射能に強い、または放射能を浄化する働きを持つ植物は?

放射能を消すには、放射線を発射している放射性元素を破壊することが必要ですが、元素はいかなる化学的手段でも破壊できません。したがって、植物を身代わりにして放射性元素を吸収蓄積させ、枯死する前に安全な場所に投棄するのが「植物による浄化」です。
 燃料ウランやプルトニウムはどんな生物にも毒性重金属なので、これは期待できません。
しかし、放射線を浴びて生まれたストロンチウム90やセシウム137は蓄積できます。ストロンチウム90はカルシウム、セシウム137はカリウムのふりをして生物の体内に侵入し、蓄積します。
カリウムは三大必須肥料なので、どの植物もセシウムを吸収します。ストロンチウムも吸収したいなら、カルシウムを欲しがる植物を選びます。
 ただし、放射性元素の分解はできないので、やがて植物そのものから放射線が出るようになります。燃やすと灰になって飛び散るので、地中深くに埋めてやらないといけません。

チェルノブイリで放射線を食べる菌が見つかる

史上最悪の原子力発電所事故を起こしたチェルノブイリで凄いものが見つかった。なんと有害な放射線を食べて成長する菌が生まれていた。彼らは生き残るために、放射線を食べることを選んだのだ。
 その菌はチェルノブイリ原子炉の壁に育っているのを、ロボットによって回収された。チェルノブイリはいまだに汚染から回復しておらず、人が入り込めるような環境ではないのだ。
 回収された菌は豊富にメラニン色素を含んでおり、その表面を紫外線から守っていた。それはどの菌においても同じだった。
 科学者は3種類の菌である実験を行った。通常、植物は葉緑素によって光エネルギーを吸収して成長する。実験では回収した菌に日光の代わりに、有害な放射線を与えた。すると菌たちは驚くことにこれらを吸収し、成長していった。
 人間にとって放射線は有害なものだが、菌たちにとっては無害どころか有効なものとなっていたのだ。普通では考えられないことだ。
 この発見は宇宙技術の前進に大いに役立つことになるだろう。宇宙は有害な放射線で溢れているため、メカニズムさえ解明できれば菌を無尽蔵の食料として食べることができ、そして他の惑星に移住する際にも頼ることができる。
 チェルノブイリ原子力発電所事故は人類にとって深刻な被害をもたらしたが、有益な一面も見つけることができた。(デジタルマガジン)

Tuesday, April 12, 2011

会津の牛乳、出荷再開…酪農家ほっとした表情

東京電力福島第一原子力発電所の放射能漏れ事故で、出荷できない状態になっていた福島県会津地方の加工前牛乳の出荷が11日朝、再開された。
 酪農家は「ようやく消費者のもとに届けられる」とほっとした表情を見せた。
 福島県産の加工前牛乳は、3月21日に県内全域で出荷制限され、このうち喜多方市など計7市町だけが今月8日に解除された。
 会津美里町荻窪の福田正幸さん(42)方の牛舎では、この日午前7時から約50頭の乳牛の搾乳を開始し、約1・5トンを会津坂下町の乳製品加工メーカーに出荷した。これまでは毎日1トン近くを廃棄。廃棄する量を減らすため、餌を半分以下に減らしていたという。
 福田さんは「会津地方の牛乳は大丈夫。まだ出荷制限を受けているほかの農家の分まで頑張りたい」と話していた(読売)

Sunday, April 10, 2011

第一原発、津波で5M浸水・・・高さ最大15M

東京電力は9日、東日本大震災による津波で、福島第一原子力発電所1~4号機の原子炉やタービン建屋などの主要設備があるエリアのほぼ全域が、4~5メートルの深さまで浸水していたことが分かったと発表した。
 津波の海面からの高さは最大14~15メートルだった。
 東電は、各建物に残された津波による変色部分などを調査し、浸水範囲や津波の高さを確認した。3月11日の津波は複数回、同原発を襲っており、第一波の到達は地震発生から41分後の午後3時27分だった。
 最大の津波は、海面からの高さが5・7メートルの津波を想定して造られた防波堤を越え、取水口近くの海水ポンプなどをのみ込んだ。その後、海面から10メートルの敷地を越えてタービン建屋を襲い、扉が完全に水没。さらに海水は、山側にある原子炉建屋の方に回り込んだ。5、6号機は敷地の高さが13メートルあり、浸水は1~2メートルだった。福島第二発電所にも想定を上回る津波が押し寄せたが、福島第一原発に比べて敷地が高く、浸水被害は少なかったという。(読売)

Thursday, April 07, 2011

原発周辺の汚染マップ、文科省が作成・公表へ

福島第一原発事故の影響を調査している文部科学省は6日、同原発周辺の放射性物質汚染マップを作成、公表することを明らかにした。
 同日始まった米エネルギー省と合同の、航空機による放射性物質汚染調査の結果を基に作成する。完成すれば、実測に基づく放射能汚染の分布が「面」で把握できることになる。
 文科省によると、日米合同調査は1週間ほど実施される予定。米軍所属の小型機や文科省が使用するヘリコプターなどが、同原発から80キロ圏内を飛行し、放射線を測定することで、地表面に沈着した放射性物質の汚染状況を調べる。
 同原発周辺の放射性物質の拡散状況の把握では、原子力安全技術センターの予測システム「SPEEDI(スピーディ)」が、計器故障などで前提となる放射性物質の放出量が分からず、使用できないでいた。文科省では同原発から20~60キロ圏内で、車両などによる観測を継続してきた。(読売)

Wednesday, April 06, 2011

指示されて…気象庁、ようやく拡散予測を公開

東京電力福島第一原子力発電所の事故で、気象庁が放射性物質の拡散予測を連日行っていたにもかかわらず公開していなかった問題で、同庁は5日、拡散予測を初めてホームページで公開した。
 枝野官房長官が4日、公開を指示していた。
 この拡散予測は、放射性物質の〈1〉地上への降下量〈2〉大気中の濃度分布〈3〉大気の流れに沿ってどう流されたかを示す「流跡線」の3種類。同原発からの放射性物質放出量などが不明なことから、同原発から1ベクレルの放射性ヨウ素131が放出されたと仮定して計算した。
 地上への降下量についての最新予測によると、4日午後3時から72時間で放出される計1ベクレルのヨウ素131は、風に乗って南西方向に拡散。その結果、7日午前9時までに地上に降下した積算量は、東北南部から関東までは1平方メートル当たり10兆分の1ベクレル程度に薄まっていた。沖縄本島付近~朝鮮半島南端では同1000兆分の1ベクレル、台湾ではさらに100分の1小さい値の同10京分の1ベクレルとなっている。(読売)