Sunday, February 28, 2010

CD菌集団感染

さいたま市立病院は26日、入院患者8人から腸炎を起こす細菌の毒素を検出し、このうち71歳の男性が死亡したと発表した。8人は病棟の同じ階に入院しており、病院は院内感染の疑いが強いとみている。
 病院によると、ほかの7人は男性4人と女性3人で、12日から25日にかけて毒素を検出。重症化の兆候はないという。
 細菌はクロストリジウム・ディフィシル(CD)。抗生物質による治療で腸の常在菌のバランスが崩れた際に異常に増え、便を介してうつるとされる。国立感染症研究所が細菌の提供を受け、通常のCDより多量の毒素を出す強毒型かどうかを調べている。
 死亡した男性は9日に脳出血の手術を受け、6人部屋で抗生物質の点滴を続けていた。17日に下痢を発症し、検便でCDの毒素を検出。翌18日に敗血症を併発し亡くなった。
 手術後に手足を動かすことができず、看護師が病室で採便していた。同室の患者への感染は確認されていないという。(山陽)

Thursday, February 25, 2010

公共的な空間を原則として全面禁煙

厚生労働省は25日、飲食店やホテルなど不特定多数の人が利用する公共的な空間を原則として全面禁煙とするよう求める通知を都道府県など自治体に出した。受動喫煙による健康被害の防止を目的とした措置で、自治体を通じて関係施設への周知を図る。
 速やかな対応を求めているが、健康増進法は罰則を設けていないため強制力はなく、施設側が新たに対応を取らなくても処分対象にはならない。
 長妻昭厚労相は「通知による影響や効果などの現状把握をした上で、さらに踏み込んだ措置が必要かどうか判断する」との考えを示している。
 対象となるのは飲食店やホテルのほか、健康増進法が定める官公庁や駅、病院、百貨店、美術館や娯楽施設などの屋内。このほか、屋外でも子どもが利用する公園などでは受動喫煙防止対策に配慮が必要としている。
 通知は全面禁煙を求める一方で、利用者に喫煙者が多く全面禁煙によって経営に影響が出る飲食店などに配慮。こうした施設については「将来的には全面禁煙を目指すことを求める」とした上で、ポスターなどで喫煙区域と禁煙区域を明確に表示し、未成年や妊婦が喫煙区域に立ち入らないような措置を取るよう求めている。(山陽)

Tuesday, February 23, 2010

多国籍犯罪に新戦略

犯罪のグローバル化が進み、来日した外国人が引き起こす犯罪に加え、舞台が日本を含む複数の国にまたがる事件も目立ってきたことから、警察庁はグローバル化対策委員会を新たに設置し、戦略プランを策定した。二十三日、全国の警察の担当者を集めた対策会議で指示した。
 戦略プランは、情報分析能力の強化や外国人集住地域への総合的な対策の推進、国際的な協力体制の構築-など五つの柱からなり、日本国籍を取得した人を警察官として採用したり、日本、中国、韓国など東アジアにおける情報交換を促進したりするとしている。
 各都道府県警に対しては、グローバル犯罪が罪種によって担当部門が異なることから、すべての部門の情報を一元化する横断的な枠組みや、犯罪の組織や活動、資金の流れを把握する「実態解明班」の設置を求めた。情報集約に関しては、警察庁の国際捜査管理官が、都道府県警をまとめる「調整役」として一元化の役割を果たし「米連邦捜査局(FBI)に近いイメージ」(同庁幹部)としている。
 外国人集住地域で外国人自らの手による防犯パトロール隊を組織するなど、国際犯罪組織が地域に浸透したり、定住外国人が犯罪に誘引されたりする原因の除去も図る。
 国際連携では、国際刑事警察機構(ICPO)との連携強化や、主要国(G8)首脳会議の治安関連会合などで課題や協力の在り方を深めることを求めている。
 対策会議で安藤隆春長官は「犯罪のグローバル化に対する日本警察の戦い方の再構築を目指す」と話した。(東京)

Sunday, February 21, 2010

不法投棄の現状確認

瀬戸内市環境衛生協議会は18日、不法投棄等パトロールを行い、干田川河川敷(同市長船町土師)、道の駅一本松展望園近くの山林(同市邑久町尻海)の2カ所でごみを回収した。
 同協議会、県備前県民局、市、瀬戸内署から12人が参加。干田川河川敷は交通量の多い県道沿いで、ペットボトルやたばこの吸い殻が散乱しており、火ばさみで拾い集めた。
 山林ではがけ下からエアコンや炊飯器、掃除機など家電製品を引き上げるとともに、不法投棄をしないよう啓発看板も設置した。
 本年度の市に寄せられた不法投棄の苦情は、1月末までに22件で前年度同期比7件減。藤本義光会長は「苦情はやや減ったが、悪質な事案は後を絶たない。引き続き目を光らせたい」と話していた。(山陽)

Saturday, February 20, 2010

インフル患者全都道府県で注意報レベル下回る

国立感染症研究所は19日、全国約5000医療機関を対象にしたインフルエンザの定点調査で、最新の1週間(8~14日)の新規患者数が1医療機関当たり2・81人となり、都道府県別でも全自治体で注意報レベルを示す10人を下回ったと発表した。
 ほとんどが新型インフルエンザとみられ、昨年7月下旬に沖縄県で注意報レベルを超えて以来、全都道府県で10人未満となったのは約7か月ぶり。
 都道府県別で最も多かったのは福井で7・97人。次いで沖縄5・66人、埼玉5・39人、山梨5・18人など。佐賀を除く46都道府県で、前週を下回った。また、1週間の推定患者数は全国で約15万人。7月上旬以降の累計患者数は約2043万人となった。
 厚生労働省は「ピークからは大幅に減ったものの、新たな患者も出続けている。流行は続いており、注意が必要だ」としている。(読売)

Saturday, February 13, 2010

「回想法」認知症防ぐ試み

高齢者が昔の思い出や自分の人生について語ることで、認知症予防に効果があると期待される「回想法」。
 福祉施設だけでなく、地域や家庭でも活用すれば、高齢者が周囲との交流を深めるきっかけになるという。
 茨城県龍ヶ崎市の市歴史民俗資料館の一角には、昭和初期から戦後にかけて使われた生活用具が展示されている。お櫃や羽釜、電気行火、火鉢……。今月5日、展示品の前に60代から90代の男女6人が集まり、懐かしそうに見入っていた。
 同館では、NPO法人龍ヶ崎市回想法センターが月5回、高齢者に人生を振り返ってもらう取り組みを行っている。ガイド役のスタッフが「こんな湯たんぽを使っていましたか」と尋ねると、近くに住む鹿志村正さん(80)が話し始めた。「やかんでお湯を入れて使った。下が平らで細長い、かまぼこ形のものもあったね」
 この活動は4年前に始まり、鹿志村さんは、ほぼ毎回同館に通っている。「同世代の友人が少なくなり、家族以外と話す機会がほとんどなかった。集まった人たちと話すと、昔の生活の記憶がよみがえって楽しい」と笑顔を見せる。
 回想法は米国で盛んになった心理療法で、日本では1990年代から本格的に研究が行われた。この10年ほどは、認知症予防の効果を期待され、福祉施設などで取り入れられてきた。
 国立長寿医療センター(愛知県大府市)包括診療部長の遠藤英俊さんは「人生を振り返ることが、自信を持ったり、自分の存在意義を見いだしたりするきっかけになる。会話をすることで感情が豊かになり、社会的なつながりができる効果もある」と指摘する。
 家族同士で昔の話を聞いてみる取り組みも、お勧めだという。回想法の普及活動を行うNPO法人シルバー総合研究所理事長の来島修志さんは「自宅にある古い写真などを用意すれば昔の事が思い出しやすくなり、家族同士でも気軽に『回想』できます」と話す。洗濯板などの古い生活用具や、お手玉などのおもちゃも、手に取った時に記憶を呼び起こしやすい。
 写真などが見つからなければ、昔の生活習慣などを映像で再現した市販のDVDを一緒に見たり、地元の歴史資料館などで生活用具を見学したりしてもよい。思い出を孫らに伝えたり、文章に書き出したりすると、生きがいになり、回想法を継続的に行うことにもつながる。
 特に、幼少期の話を親に聞くことを勧めるのは、福祉施設などで回想法を指導するNPO法人日本回想療法学会(茨城県取手市)会長の小林幹児さん。「記憶がほとんどない時期の話を聞くことで、子どもは親の苦労を知り、親は子育てを振り返って自分の役割を改めて肯定できる」と強調している。
回想法のコツや注意点
 (来島さんの話をもとに作成)
 ・昔の家事や遊び、小学校の思い出など楽しかったこと、得意だったことを聞く。
 ・生活用具の名前や、使い方などを具体的に聞く。
 ・当時の風景や色、音、におい、味、手触りなど、五感を使って感じたことを聞く。
 ・過去の体験を踏まえ、伝えたいこと、今後やってみたいことを聞く。
 ・細かい事実関係が間違っていても、誤りを指摘せずに、話の内容を肯定し共感する。
 ・思い出したくない様子だったら無理に聞かない。
 ・プライベートな思い出を聞いても、本人の許可を得ずに第三者に話さない。(読売)

Tuesday, February 09, 2010

水銀殺菌灯より安全

殺菌効果のある紫外線を出す発光ダイオード(LED)を、産業技術総合研究所(茨城県つくば市)などのグループが作製し、8日、発表した。
 現在使われている水銀を用いた殺菌灯に比べ、消費電力が少なく安全性が高いため、小型殺菌装置の開発につながりそうだ。
 研究グループはダイヤモンドに電気を流すと、殺菌効果のある波長を出すことに着目し、人工ダイヤで直径0・15ミリのLEDを作製した。このLEDで大腸菌を塗ったシャーレに紫外線を照射したところ、大腸菌は死滅した。2ミリ離れたところから、直径1センチ大の領域を照射できるという。
 現在の殺菌灯は蛍光灯のような大きさと形をしており、狭い場所では使いにくい。殺菌に有効な波長を出すのに水銀を使うため、環境への影響も懸念される。
 山崎聡・同研究所主幹研究員は「口の中の殺菌や、家庭での食器消毒機器などへの応用が考えられる」と話している。(読売)

Monday, February 08, 2010

ハーブティー出し殻 まだまだ使える

ハーブティーで抽出されるのは、ハーブに含まれる成分の20~30%とされる。出し殻には多くの“栄養”が残っている。「最後まで使い切れるのもハーブの魅力です」と話す神戸布引ハーブ園(神戸市中央区)の星川雅子副園長に、ハーブの薬効を生かした様々な利用法を聞いた。
 美しい赤色とすっきりした味わいで人気があるハイビスカスティー。ハイビスカスはビタミンCの宝庫だ。出し殻も食べてしまおう。粗塩を軽くふると、梅干しに似た酸味が出る。漬物代わりに食べてもいいし、おかゆのトッピングにもなる。
 上品で甘い香りのローズはピクルスにできる。出し殻の水分をしぼり、細かく刻んで好みの量のレモン汁とハチミツをよく混ぜる。レモン汁と反応して茶葉の赤色が戻るため見た目も美しく、サラダなどに彩りを添える。
 レモングラスは、その名の通りさわやかなレモンの香り。消化促進や抗菌効果がある。出し殻を市販のお茶パックに入れて5分ほど煮出すと、濃い黄緑色のエキスができる。風呂に入れ、レモンの香りで体を包み込めば心も体もさっぱり。ローズマリーも同様に使え、血行を促進し、冷え症の改善に効果があるという。
 蒸気浴もお勧めだ。ハーブの種類は問わない。熱湯が入った洗面器に出し殻を入れ、目を閉じて蒸気を顔に当てる。頭からタオルをかぶって蒸気を逃がさないようしよう。柔らかな香りの蒸気が毛穴を掃除し、肌をケアしてくれる。
 最後に残った出し殻はゴミ箱行き? 「ハーブには生ゴミの消臭効果もあります。土に戻せば、植物の肥料にもなります。家庭でハーブを育てるきっかけにもしてほしいですね」と星川さん。(水谷工)(読売)

Saturday, February 06, 2010

植物状態でも意思疎通

植物状態と診断された患者の中に、認知能力が残っている人がおり、特殊な装置を使えば周囲と意思疎通ができる可能性があるという研究結果を、英ケンブリッジ大などが3日付の米医学誌に発表した。
 意思疎通できないという前提で行われてきた患者に対する医療を考え直す必要がでてくるかもしれない。
 同大学の医師らは、頭部の外傷などで、周囲の呼びかけに反応がない「植物状態」と診断された23人を、脳の活動部位を可視化する機能的磁気共鳴画像(fMRI)装置で調べた。
 「テニスをしている」「自宅の中を歩いている」などの場面を想像するよう呼びかけたところ、4人で健常者と同じ脳の活動パターンが繰り返し表れた。
 研究チームは「将来、患者にどこか痛みがないかfMRIを使って聞くことが可能になる」としている。(読売)

Wednesday, February 03, 2010

原発、30か所で排水管誤接続

東京電力は2日、福島第2原子力発電所(福島県)など3か所の原発で、放射性廃棄物を処理する排水管を誤ってつないだ部分が30か所見つかり、うち17か所で、放射性物質のトリチウムを含む水を放水していたと発表した。
 放水に含まれる放射性物質の濃度は、最大でも国の基準値の4000分の1。報告を受けた原子力安全・保安院は「周囲の環境への影響はない」としているが、同日、東電を厳重注意し、他の電力会社に対し、同じような誤接続がないか、調査を指示した。
 誤接続が見つかったのは福島第2原発21か所、福島第1原発(同)5か所、柏崎刈羽原発(新潟県)4か所。放水をしていた17か所のうち、福島第2原発の2か所を除く15か所は、検出限界以下の微量だった。
 東電は、昨年10月に福島第2原発で誤接続が見つかり、調査をしていた。
(読売)

Monday, February 01, 2010

「黒い雨」由来の放射性物質

広島への原爆投下(1945年8月6日)直後に降った「黒い雨」に由来するとみられる放射性物質「セシウム137」を、広島大の星正治・原爆放射線医科学研究所教授らのグループが、広島市の民家床下の土壌から初めて確認した。
 雨が降った地域や、雨の強さは、国と市でそれぞれ異なる調査結果が出ており、星教授らは、今後の調査、分析で雨の実態解明が進む可能性があるとしている。
 過去の土壌調査では、50年代以降に海外で頻繁に行われた核実験による放射性物質と区別できなかったが、星教授らは45~50年頃に建てられた民家の床下の土壌であれば、影響は受けていないと判断。約10軒の床下で土壌を調べたところ、国指定の降雨地域の2軒から、投下時に上空で発生した後、降り注いだとされる核分裂生成物の一つ、セシウム137を検出した。
 黒い雨が降った地域については、国が終戦直後の調査で、爆心地北西の長さ29キロ、幅15キロの楕円状の範囲を指定。このうち長さ19キロ、幅11キロの「大雨」地域にいて、がんなどになった人を被爆者とし、健康管理手当を支給している。ただ、広島市のアンケートでは、より広範に大雨が降ったとの証言も多い。(読売)