携帯電磁波で脳活動変化、健康への影響は不明、米研究所
携帯電話を耳に当てて使用すると、周辺の脳細胞のエネルギー消費が活発になるとの研究結果を、米国立衛生研究所(NIH)のチームが26日までに米医学会誌に発表した。
携帯電話の電磁波が脳の活動に何らかの変化を与える可能性があることを示しているが、健康に悪影響があるかは不明。同誌は論説記事の中で「さらに研究を進める必要がある」と指摘した。
研究チームは健康な47人を対象に、通話状態で音声は聞こえないようにした携帯電話と、スイッチを切ったものとをそれぞれ50分間耳に当ててもらい、脳の活動の変化を陽電子放射断層撮影装置(PET)で計測した。
その結果、通話状態の場合は、携帯電話のアンテナに近い部分の脳のブドウ糖消費が、約7%増えることが分かった。
携帯電話の電磁波と健康との関係をめぐっては昨年5月、世界保健機関(WHO)の専門組織が世界13カ国で1万人以上を調査した結果から、「使用が脳腫瘍の発生の危険を増やすとは認められない」とする報告を発表した。一方で、がんのリスクが上がると指摘する研究者もおり、結論は出ていない。(山陽) Tweet