Friday, August 28, 2009

北から覚せい剤密輸

北朝鮮との国境にある中国吉林省延辺朝鮮族自治州の公安当局が、覚せい剤密輸事件にからんで邦人男性2人を拘束、麻薬等密輸罪で起訴していたことが25日わかった。中国筋が明らかにした。
 2人は昨年、覚せい剤を所持していたとして、吉林省に隣接する遼寧省瀋陽市で拘束された。吉林省中級人民法院に起訴され、今月初公判も開かれたという。具体的な起訴事実は不明。同自治州は北朝鮮製覚せい剤の密輸拠点。地元公安当局は取り締まりを強化している。
 中国は覚せい剤密輸に厳罰を科しており、所持量によっては死刑もありうる。(読売)

無重力では子供できない

哺乳類の受精卵が育つには一定の重力が必要なことが、理化学研究所発生・再生科学総合研究センター(神戸市)の若山照彦チームリーダーと広島大の弓削弓削類教授らの共同研究でわかった。
 宇宙ステーションや重力の弱い月、火星では子どもができにくい可能性があり、未来の宇宙移住構想に影響しそうだ。25日付の電子版の米科学誌に発表された。
 魚類や両生類は宇宙空間でも繁殖することが実験でわかっているが、哺乳類では1979年にロシアがラットの繁殖に失敗。その後は実験が行われていない。
 研究チームは、弓削教授らが開発した装置「3Dクリノスタット」で、ほぼ無重力の状態を地上で再現。マウスの体外受精を試みた。
 卵子が受精する確率や、受精から24時間後に細胞が二つに分かれる確率は通常と同程度だったが、さらに無重力が続くと、子宮に着床する前の杯盤胞まで育った割合は30%で、通常(57%)の半分に落ちた。その胚盤胞を子宮に移植して出産に至ったのは16%で、通常(38%)より低かった。
 結局、子どもの生まれる割合は、地上の重力の場合の4分の1にとどまった。生まれた子は正常だった。
 若山さんは「哺乳類でも影響はないと予想していたのでショックだ。宇宙に人類が進出して子孫を残すには、どの程度の重力が必要かを調べ、対策を考えないといけない」と話す。
 宇宙空間の場合は、大型の基地を回転させ、遠心力で“人工重力”を生み出す方法がSFなどに登場する。(読売)

Monday, August 24, 2009

モーツァルト死因は咽頭炎

18世紀オーストリアの作曲家モーツァルトの死因は咽頭炎だったとする論文をアムステルダム大学の研究者を中心とするチームがまとめ、18日付の米内科学会誌に発表した。
 研究チームは、モーツァルトが死んだ1791年前後に、ウィーンで死亡した成人5000人以上の公式記録を調べた。1791年の冬だけは、若年層の死者に「むくみ」の症状が多かったことを発見し、連鎖球菌咽頭炎などの感染症が流行していたと推定した。
 死の直前のモーツァルトは体のむくみがひどくベッドで寝返りを打てなかったほか、高熱や発疹が出たとされる。咽頭炎や、それに伴う急性腎炎の症状に合致するという。
 35歳の若さで世を去ったモーツァルトの死を巡っては、才能をねたんだ宮廷作曲家サリエリによる毒殺、火が十分通っていない豚肉による寄生虫感染、梅毒などの説が唱えられてきた。
 研究チームは「断定はできないものの、疫学調査の結果が示しているのは平凡な死因だ」と評している。(読売)

Saturday, August 22, 2009

早くも休校や学級閉鎖

公立の小中学校1945校のうち、350校が25日から2学期を始める東京都。都教委は18日、始業式当日の朝に児童らの体調を確認することや、体調不良の子供には無理をせず登校を控えるよう保護者に周知することを各校に周知した。
 すでに新学期が始まっている長野県は、小中高校などの学級閉鎖基準を「欠席者20%前後」から、より早期に閉鎖できるように「10%を超えた場合」に変更することを決めた。逆に、A型インフルエンザの学級閉鎖の基準を「簡易検査で陽性がクラスに1人以上」としていた埼玉県教委では、閉鎖が続出するのを避けるため、「3人以上」に見直す準備を進めている。(読売)

新型ワクチン「子供と親優先が有効」

新型インフルエンザの感染拡大を防ぎ、死者を少なくするには、学校に通う子供たち(5~19歳)と、その親の世代(30~39歳)に最優先でワクチン接種することが有効であることを、米エール大学などのグループが数学モデルを使った解析で明らかにした。
最も感染しやすいのは、学校に通う子供たちで、親を通じ、他の年齢層に感染が広がる。こうした5~19歳と30~39歳の世代に優先接種すると、感染拡大を抑え、被害が最小になることが分かった。
 人口3億人の米国では、両世代に優先接種すれば、6300万回分のワクチンで大流行を阻止できるという結果も出た。
 ワクチンが4000万回分しかない場合も、学校に通う子供に優先接種すれば、米疾病対策センターが推奨する生後6か月から24歳への接種に比べ、感染者を1500万人、死者を3万1000人、経済被害を140億ドル(1兆3000億円)減らせると試算した。(読売)

Tuesday, August 18, 2009

下水の排水にタミフル

インフルエンザ流行期に、治療薬タミフルの成分が下水処理場から河川に放流された排水中に高い濃度で含まれていることを、京都大流域圏総合環境質研究センター博士課程3年ゴッシュ・ゴパールさん(30)と田中宏明教授らが突き止めた。
 インフルエンザに感染している野鳥などがこの水を飲んだ場合、ウイルスがタミフルの効かなくなる耐性になる恐れがあるという。
 研究チームは、京都府内にある三つの下水処理場について、放流水と処理場の上流、下流の河川水のタミフル濃度を測定した。その結果、季節性インフルエンザ流行のピークにあたる今年1月下旬~2月上旬に、放流水で水1リットルあたり最大約300ナノ・グラム(ナノは10億分の1)、下流の河川水では最大約200ナノ・グラムを検出した。
 沈殿処理した下水を浄化する標準的処理を行っている2処理場ではタミフルの40%以下しか除去できていなかったが、標準的処理に加えてオゾン処理もする処理場では90%以上除去できていたこともわかった。 人が服用したタミフルの約80%は、そのまま体外に排出されているとされる。

Friday, August 14, 2009

盛り土に強度不足?

静岡・駿河湾を震源とする震度6弱の地震により、東名高速道路の路面が約100メートルにわたって崩落した問題で、中日本高速道路(名古屋市)は13日、強度不足の可能性もあるとして、外部識者を交えた検討委員会を設置することを決めた。
 崩壊した土台の構造は東海道新幹線もほぼ同じだが、JRは土台の盛り土に鉄板を組み入れるなどの耐震補強工事を独自に行っており、この差で明暗を分けたと見られる。
 同高速道の崩落は、地震前日の10日に降った大雨で土台の盛り土が緩み、地震で激しく揺さぶられて起きたとされる。国土交通省によると、盛り土は、社団法人「日本道路協会」が斜面の角度や高さ、土の質などを指針に定め、それに基づき設計されている。
 東名高速開通は1969年。強い地震にも耐えられるよう設計されていたが、中日本高速道路によると、震度6弱で崩落するのは「想定外」だった。大雨への対策については、同社は表土が流出しないよう草木を植えて雨がじかに当たらないようにしていたが、内部の補強は行っていなかった。「雨水が染み込んでも、土中にとどまらずに地下に流れると判断していた」(担当者)ためという。今回の崩落は強度不足に加え、土中に大量の水が一時滞留したことが原因との見方もあり、根本から対策を迫られる可能性もある。同社は検討委員会を近く設置して詳細に調査するとしている。
 一方、東海道新幹線の被害は一部のレールにゆがみが出た程度。12日には通常運行に戻った。JR東海は、盛り土の上にレールを敷く区間については、厚さ約1センチの大きな鉄板を土中に連続して埋め込み、土が動かないよう安定させている。大雨と地震の両対策を兼ねる工事で、1キロ分の補強工事に10億円以上がかかる。
 法令で定められた工事ではなく、同社は「東海地震クラスの揺れにも耐えるため、経営判断で独自に補強工事を進めた」としている。

Wednesday, August 12, 2009

違った世界で脳に刺激

アメリカでは現在、戦略製品と位置付けるルラシドン(統合失調症治療剤)の臨床試験が最終段階にあり、自社での販売体制作りの準備を進めています。今後、さらにグローバル化のスピードを上げていきます。社員にも、海外を含めて違った世界を経験してほしいと思っています。
 違う世界に触れると、脳に対する刺激になります。例えば、営業担当者が本社で違う仕事をしたり、研究者が開発の仕事をしたりというように、自分が経験していなかった分野の仕事をすると、自分を磨き直すことができます。社長に就任してから1年余りですが、役員はほぼ全員、担当を変えました。半年ほどは戸惑いがあったようでしたが、今は会社組織全体の活性化につながっていると考えています。
 転勤も同じです。私自身、国内外で10回ほど転勤しました。転勤先で受け入れてもらうために、どのように自分を変えるか。その過程で、社会的動物としてのスキルが蓄積されていくと思います。仕事は一人では出来ません。コミュニケーションが大切です。(読売・リーダーの仕事学より)

Wednesday, August 05, 2009

熱中症招く「無知と無理」

夏休み真っ盛り。「子どもと夏」をテーマに、子どもの健康を脅かしかねない様々なトラブルとその対処法などを探ってみたい。
 初回は、熱中症。合宿や夏の練習に参加する子どもが多いなか、熱中症で倒れるなどの事故も後を絶たない。日本体育協会(東京)スポーツ科学研究室の伊藤静夫室長は「事故は『無知』と『無理』から起きる」と強調する。
 熱中症は、
〈1〉 血圧が低下し、顔面が真っ青になる「熱失神」
〈2〉 脱力感、倦怠感の激しい「熱疲労」
〈3〉 足や腕に痛みも伴う「熱けいれん」
〈4〉 「熱射病」――の四つに大別される。
 中でも怖いのが、死に至る恐れもある熱射病だ。応答が遅い、言動がおかしい、意識がないなどが特徴で、頭痛、吐き気を伴うこともある。こうした症状がある場合、「『日陰で休ませれば』と高をくくらず、すぐに救急車を呼んで」と伊藤さん。救急車が到着するまでの間、首、わきの下、足の付け根を氷で冷やして体温を下げる。
 熱中症の予防策は、無理をしないことだ。炎天下にあえて厳しい練習を行う指導者もいるが、「悪しき根性論」といえよう。子どもの体重を毎朝測り、減少が続くようなら、休養させる。練習内容も、気温の低い時間帯を選ぶなど、工夫が欠かせない。夏合宿は初日が要注意。体が環境に慣れていないので、事故が起こりやすい。
 気温が31度以上となると、熱中症になる危険性が高い「厳重警戒」区域。持久走や激しい運動は避けたい。35度以上になると「原則中止」。気温が低くても、湿度や日差しが強い場合は慎重な対応が求められる。
 水分は、随時補給が基本だ。摂取量は、野球、サッカー、バスケットの場合、練習前は250~500ミリ・リットル、練習中は500~1000ミリ・リットルが目安。市販のスポーツドリンクで補おう。
 「子どもの状態をよく見て練習を行うことが、結果的に、熱中症の予防につながる」と伊藤さんは話している。(読売)

Sunday, August 02, 2009

加圧トレーニング

加圧する場合と、そうでない場合の違いを体感するため、右腕の付け根にだけ専用のベルトを巻いてもらった。500グラムのペットボトル2本を両手に持ち、両腕をゆっくりと上下に動かす。最初は左右の腕に感覚の違いはない。
 ところが、数分後、ベルトを巻いた右腕の血管が浮き出てきた。だるさも感じる。左腕の感覚とは全然違う。「右腕は2、3キロ程度の重さに感じるはずです」と佐藤さん。初心者なら、1回5分、週1回程度の運動で、筋力アップが可能という。
腕や脚の付け根に巻いた専用のベルトによって、適度に血流を制限しながら運動している。そのため、脳が「激しい運動をした」と“錯覚”する結果、成長ホルモンなどの分泌が増え、筋肉の強化につながるという。これまでの研究で、加圧しない場合より成長ホルモンの血中濃度が高まることがわかっている。 ただし、手軽にできると思いきや、自己流で手足を縛るのは危険きわまりない。「過度な圧力を加えたり、長時間縛ったりすれば、血栓ができる恐れもある」

デルマトーム

皮膚の表面はデルマトーム(皮膚知覚帯)と呼ばれる特定の領域に分かれていて、各区分を1つの脊髄神経根の感覚神経線維が支配しています。7個の頸椎には体の左右に8対の感覚神経根があり、12個の胸椎、5個の腰椎、5個の仙椎のそれぞれにも、体の左右に1つずつ1対の脊髄神経根があります。このほかにもう1対、尾骨神経根があり、これは尾骨周囲の皮膚の狭い範囲を支配しています。デルマトームの感覚情報は、感覚神経線維によってそれぞれ特定の椎骨の脊髄神経根へ伝えられます。例えば腰部、大腿の外側、脚の内側、かかとの感覚情報は、座骨神経の感覚神経線維によって第5腰椎(L5)へ伝えられます。