盛り土に強度不足?
静岡・駿河湾を震源とする震度6弱の地震により、東名高速道路の路面が約100メートルにわたって崩落した問題で、中日本高速道路(名古屋市)は13日、強度不足の可能性もあるとして、外部識者を交えた検討委員会を設置することを決めた。
崩壊した土台の構造は東海道新幹線もほぼ同じだが、JRは土台の盛り土に鉄板を組み入れるなどの耐震補強工事を独自に行っており、この差で明暗を分けたと見られる。
同高速道の崩落は、地震前日の10日に降った大雨で土台の盛り土が緩み、地震で激しく揺さぶられて起きたとされる。国土交通省によると、盛り土は、社団法人「日本道路協会」が斜面の角度や高さ、土の質などを指針に定め、それに基づき設計されている。
東名高速開通は1969年。強い地震にも耐えられるよう設計されていたが、中日本高速道路によると、震度6弱で崩落するのは「想定外」だった。大雨への対策については、同社は表土が流出しないよう草木を植えて雨がじかに当たらないようにしていたが、内部の補強は行っていなかった。「雨水が染み込んでも、土中にとどまらずに地下に流れると判断していた」(担当者)ためという。今回の崩落は強度不足に加え、土中に大量の水が一時滞留したことが原因との見方もあり、根本から対策を迫られる可能性もある。同社は検討委員会を近く設置して詳細に調査するとしている。
一方、東海道新幹線の被害は一部のレールにゆがみが出た程度。12日には通常運行に戻った。JR東海は、盛り土の上にレールを敷く区間については、厚さ約1センチの大きな鉄板を土中に連続して埋め込み、土が動かないよう安定させている。大雨と地震の両対策を兼ねる工事で、1キロ分の補強工事に10億円以上がかかる。
法令で定められた工事ではなく、同社は「東海地震クラスの揺れにも耐えるため、経営判断で独自に補強工事を進めた」としている。 Tweet

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