Tuesday, May 31, 2011

1千戸に太陽光パネル・・工場跡地に環境配慮の街

東日本大震災とその後の電力不足で、自然エネルギーへの関心が高まる中、パナソニックと神奈川県藤沢市などは、パナソニックの藤沢工場跡地(約19ヘクタール、藤沢市辻堂元町)に、省エネなど環境配慮型の新しい街を建設すると発表した。
 総工費は約600億円。1000世帯(3000人)全戸に太陽光パネルを設置する。2012年度内に着工し、13年度の街開きを目指す。黒岩祐治・神奈川県知事も太陽光発電の推進を打ち出しており、太陽光発電を活用した街づくりが県内で本格化してきた。
 工場跡地に建設される街「Fujisawa サスティナブル・スマートタウン」は、JR藤沢駅と辻堂駅の中間に位置する。街づくりには藤沢市と同社のほか、三井不動産、東京ガス、住友信託銀行など8社が参加する。全戸に太陽光パネルと蓄電池を備え、省エネ機器・家電を導入。夜間や停電時には、蓄電池にためた電気を使う。
 同様の仕組みを店舗や施設にも導入し、それぞれの電気機器を街全体でネットワーク化。IT技術を用いて電力使用量をコントロールし、エネルギー利用の効率化を図る。街全体で二酸化炭素排出量を70%、生活用水の使用量を30%削減できるという。
 また、街に電気自動車(EV)の急速充電器を設置し、EVのカーシェアリングを行うことで、車が少ない住宅街を目指す。公園や緑を多く配置するほか、LED街路灯や防犯カメラを設置して街全体のセキュリティーを充実させる。
 パナソニックの大坪文雄社長は26日の記者会見で、「(数ある)スマートシティ構想のなかでも先進的な『藤沢モデル』を作り出し、発信していく。藤沢を出発点に、世界中でスマートタウン作りに貢献したい」と意気込みを語った。藤沢市の海老根靖典市長も「先進的な街の誕生で、藤沢への関心は間違いなく高まり、市全体への波及効果も期待できる」と述べた。(読売)

Monday, May 30, 2011

横浜の菌付着ユッケ肉、栃木産の雄の去勢牛

焼き肉チェーン「焼肉酒家えびす」の集団食中毒事件で、横浜市青葉区の系列店で菌が付着したまま見つかったユッケ用もも肉は、卸元の大和屋商店(東京・板橋)で4月13日に加工された栃木県産の雄の去勢牛だったことが27日、捜査関係者などへの取材でわかった。
 横浜の肉は、富山、福井両県で死亡した4人からの検出菌と遺伝子型が一致。店納入前に汚染されていたことが確実とみている富山県警などの合同捜査本部は、この肉を食べた死者もいる可能性があるとみて調べる。
 大和屋の内部資料などによると、横浜の肉は、栃木県那須塩原市の牧場で飼育された去勢牛を4月7日に埼玉県川口市の食肉処理場で解体したもので、同11日に大和屋が買い付けた。
 捜査関係者などによると、菌の遺伝子型が一致したため、富山、福井両県で死亡した4人が横浜の肉と同じ同13日加工分の肉を食べた可能性もあり、捜査本部では、大和屋で同日に加工され、えびす系列店に納入されていた雌の経産牛、去勢牛、雌の交雑牛の3頭の肉が浮上していた。
 このうち、横浜の肉が同13日加工の去勢牛と特定されたことで、砺波店(砺波市)で6歳男児が同22日に、70歳と43歳の女性2人が同23日に、福井渕店(福井市)で6歳男児が同17日にそれぞれ食べたユッケに、加工時に横浜の肉と切り分けられたか、触れあって菌が移った肉が入っていた可能性も出ている。4人が食べた肉は、同16、19日に店に真空パックに入れて納入されていたとみられ、捜査本部は肉の特定を進める。
 県によると、今月27日に新たな食中毒患者は確認されず、また、退院者もなかったことから、累計患者数は163人(県内の死亡3人含む)、重症の入院患者数は15人のまま。(読売)

Tuesday, May 24, 2011

近畿の産廃、3年後に満杯…大阪湾埋め立て地

近畿の廃棄物で海を埋め立てる「大阪湾フェニックス計画」で、産業廃棄物の受け入れが想定を上回り、当初予定より7年早い2014年度に産廃処分場が満杯になる見通しになった。
 管理する大阪湾広域臨海環境整備センターは、今年度から搬入量を09年度の3割減に制限しているが、東日本大震災で生じたがれきの受け入れも検討しており、関係者らは「処分場が足りなくなる時期が、さらに早まる恐れがある」と危惧している。
 大阪湾の沖合4か所(泉大津沖、尼崎沖、神戸沖、大阪沖)を、近畿2府4県の168市町村で排出される廃棄物で埋め立て、土地を活用する事業。1989~21年度に産業廃棄物1760万立方メートルのほか、一般廃棄物を受け入れる。
 ところが、都市部で建設ラッシュが起き、「ミニバブル」といわれた07年度には、民間からの産業廃棄物受け入れが、予定の3倍に増加。すでに計画の約8割にあたる1450万立方メートルが埋まり、このままでは14年度に計画量を超える見込みだ。市町村が搬入する一般廃棄物はまだ受け入れに余裕があるが、産廃用への融通は困難という。(読売)

Sunday, May 15, 2011

積算放射線の人体への影響

これまでに浴びた放射線量の累計である「積算放射線量」が問題になる。
放射線と健康に関する日本を代表する研究機関である「放射線医学総合研究所」(千葉市)によると、積算放射線量が100ミリシーベルト(10万マイクロシーベルト)未満では、がんが引き起こされるという科学的な根拠はない。
100ミリシーベルトの被ばくで、がんで亡くなる人の割合が0・5%増えると考えられている。日本人の約30%ががんで死亡することから、仮に千人が100ミリシーベルトの被ばくを受けたとすると、がんによる死亡が300人から305人に増える計算になる。
根拠は、広島、長崎の原爆や、チェルノブイリ原発事故、核実験など過去に起きた放射性物質の拡散での疫学的な検証などが基礎になっている。
空気中に漂っている放射性物質を吸い込んで肺に取り込んだり、食べ物や飲み物から消化器系に取り込む「内部被ばく」に注意が必要だ。皮膚の傷口などから体内に入る場合もある。
放射性物質から出る放射線によって、細胞の遺伝子が傷つけられる恐れがある。細胞には遺伝子を修復する能力があるが、能力を上回る被ばくを受けると、がんが発生する可能性が出てくる。
消化器から血液中に入り、他の組織や臓器にも影響が及ぶ可能性がある。放射性ヨウ素は甲状腺に吸収されやすく、特に乳児に影響がある。福島県で検出された放射性ストロンチウムは骨に蓄積しやすいことが分かっている。
同じ放射線量でも、生殖腺(卵巣、精巣)や、血液をつくる「赤色骨髄」、肺、胃などへの影響が大きくなる。
放射線量の世界的な権威である「国際放射線防護委員会」(ICRP)がつくった基準を元にしている。ICRPの基準は疫学的なデータに加え、健康への影響と社会的コストのバランスを勘案して決められている。
基準値を超す食品を食べると、直ちに健康に影響は出ない。食品には放射性物質以外にも、残留農薬や添加物など多様なリスクがある。これらを総合的に考えて対応していく必要もありそうだ。(過去の新聞記事から)

Saturday, May 07, 2011

栃木県でオオタカから鳥インフル、住宅の庭先、3月発見

栃木県は6日、同県塩谷町で3月末に住宅の庭先からオオタカ1羽の死骸が見つかり、北海道大学などで検査した結果、強毒性の高病原性鳥インフルエンザウイルス(H5N1型)を確認したと発表した。
 同日、半径10キロ圏内の養鶏農家などを立ち入り調査したが、異常は確認されなかった。
 県によると、3月25日に住人が発見し県に通報。県は死骸を回収し、簡易検査では陰性だったが、念のため国立環境研究所(茨城県つくば市)に検体を送っていた。(山陽)

Tuesday, May 03, 2011

70年代根絶も全国で再繁殖 トコジラミに注意、県内でも確認、激しい痛みやかゆみ

1970年代に国内でほぼ根絶したとされていた「トコジラミ」の被害が急増している。県内でも昨年、害虫駆除業者でつくる県ペストコントロール協会(岡山市北区延友)が統計の残る72年以降で初めて駆除。繁殖力が強く、同協会は大量発生に警戒を強めている。
 トコジラミは民家の天井やマットレスの隙間など狭い空間に生息し、夜間に活動。人の血を吸って激しい痛みとかゆみを生じさせる。カメムシの一種で体長は5〜8ミリ。薄黄色や赤褐色の平べったい体つきで「南京虫」とも呼ばれる。
 日本ペストコントロール協会(東京都)によると、60〜70年代に駆除が進められたが、国外からの侵入によって10年ほど前から都内で被害が増加。薬剤使用の法規制強化、殺虫剤に耐性のある個体出現や、暖房による冬場の繁殖環境が整ったことで全国に広がったとみられる。輸入家具に付着して民家に入ることもあるという。
 県内では昨年5月、岡山市北区のマンションで被害を確認、県ペストコントロール協会が薬剤散布で駆除した。半年間で個体数が100倍以上に増えるともいわれ、三宅忠事務局長は「ダニやノミに刺された際の症状と区別が付きにくく、発見が遅れると大量発生を招く」と危惧する。
 家具や家電製品、壁などに、ふんでできるゴマ状の黒い染みがあればトコジラミの生息が疑われる。三宅事務局長は「被害拡大を防ぐには、早期発見が重要。こまめな掃除を心掛け、見つけたらすぐに相談して」と注意を呼び掛けている。(山陽)