高齢者の不注意で火災
高齢者の不注意が原因で発生した火災が増えているとして、東京消防庁が注意を呼びかけている。加齢に伴う身体機能や注意力の低下が火災に結びつくケースもある。
同庁が65歳以上の高齢者の火災状況などを調べた「災害と防災環境からみる高齢者の実態」によると、2008年に、火を消し忘れたり、ストーブにものを落としたりして、高齢者の行為が出火につながった火災は計514件。東京都内で昨年に起きた火災に占める割合は8・9%で、04年以降では件数、割合とも最多だった。このうち死者は53人、負傷者は179人。
514件の火災を出火原因別に見ると、ガスコンロなどの「台所関連」が最も多く178件。テレビの視聴や来客で火をつけたまま台所を離れてしまったり、火に衣服が接触したりする例が目立つ。
また、03~08年の火災による死者計572人の死亡時の状況調査を、高齢者と成人に区分してみると、状況が判明した計339人のうち、高齢者の106人、成人の91人が「就寝中」に死亡。高齢者の場合、「家事従事中」に14人(成人3人)、「休憩中」に12人(同1人)、「暖をとっているとき」に4人(同0人)が亡くなっていた。成人に比べ、起きている時でも火災に巻き込まれる危険性の高いことをうかがわせた。
同庁生活安全課の荏原哲生さんは「高齢者は視力や聴力などの身体機能や注意力が衰えている。火事に気づかなかったり、避難に時間がかかったりして、結果的に深刻な事態に陥ることが多い」と話す。
このため、火災警報器の設置はもちろん、防炎性のエプロンや腕カバー、布団を使うなど、「あらかじめ危険を取り除くような対策を講じてほしい」と呼びかけている。(読売) Tweet

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