Monday, January 04, 2010

高齢社会と長寿社会

昭和20年の日本の平均寿命は、男が23・9歳、女が37・5歳。戦争による理不尽な大量の死者がいたからです。今だって、私たちが全力を挙げて支援しなくてはいけないのは、疾病、貧困、飢餓、戦乱などによって、天寿をまっとうできない国です。
 長寿国は理想国。次の世代を残すだけでなく、一人一人が個性を伸ばすこともできる。そして、人間が持っている「良いところ」を刺激して、良い社会をつくっていく機会だと思う。
人間って複雑きわまりない存在だけど、その割に寿命が短かった。だから、同じ過ちを繰り返してきたと思う。例えば広島の被爆者の方たちが今も生きていて、体験を訴えている。ベトナム帰還兵の人たちの心の傷の深さが問題になってPTSD(心的外傷後ストレス障害)の研究が進むまでに20年、30年ぐらいかかっている。つらい体験を語るには長い年月がかかるけれど、体験者がいることで、共に生きる人の言葉として受け止め、教訓にできます。(評論家・樋口恵子さんのお話から)

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