Friday, September 18, 2009

市販のせき止め薬の使用

せきが止まらないとき、まず思い浮かべるのが市販のせき止め薬。
 しかし、どんなせきにも有効というわけではない。「市販のせき止め薬を使用していいのは、たんの出ない乾いたせきの場合」と話すのは、金沢大学病院の藤村政樹准教授(呼吸器内科)だ。
 まずは、せき止めのメカニズムから。せきは、気管内のウイルスや細菌などの異物をたん(粘液)と一緒に体外へ出す、生体の防御反応だ。気管内の気道壁にある細かい線毛が、徐々にたんを運ぶとともに、せきで一気に排出する。
 一方、せき止め薬は中枢神経に働いてせきを止める。つまり、たんがあってもせきは止まってしまう。「そうなると、たんを体外に排出できなくなるばかりか、たんが肺に落ちて肺炎になってしまう危険もある」と、藤村さんは説明する。
 たんを伴うせきが長引く場合は、かぜ以外の疾患が隠れていることもある。「せき止め薬に頼らず医療機関へ」が鉄則だ。
 たんが出ないせきに対しては、薬剤師に相談し、早めにせき止め薬を使うほうがいい。薬を使わないでいるうちに、せき込むことで、のどの粘膜を傷めてしまい、そこから感染を引き起こすことがあるからだ。また、せきは体力をひどく消耗させるし、「映画館や食事に行けない」など、生活上の不自由も生じる。ただ、乾いたせきでも、長引くようなら医師の診察を。
 せきの予防のためには、住まいの環境に気を配ることも大事だ。せきぜんそく、アトピーせきなどのアレルギー性のせきを防ぐには、「じゅうたんを化学繊維のものに換える、ぬいぐるみを置かないなどの工夫も必要。エアコンなどのカビも要注意です」と藤村さん。
 これからの季節、就寝時は、加湿器や湿ったタイプのマスクの使用もお勧めだ。(読売)

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