長命というより長寿沖縄県
長生きのことを長命といい、最近は長寿という言葉がもてはやされています。しかし長命と長寿には本来違った意味合いがあります。長寿は寿ぐべき長命を意味しています。ところが最近、官庁などでは長寿対策と称して要介護(寝たきりや認知症)の問題を主として扱っているようです。ところで英語で言うlongevityは「並外れた長生き」を意味しており、「並外れた」は並外れて優れているという意味ですから、単なる長生きではなく、まさに本来の長寿(寿ぐべき長命)を意味します。
長寿のお祝いにはいずれも「寿」の文字がついていて、99歳の祝いで、一世紀を生き抜いた人のことを指す白寿の他に、米寿(88歳)、傘寿(80歳)、喜寿(77歳)などがあります。私は1975年からCentenarianの研究を始めましたが、適当な和訳がなく「百寿者」という言葉を用いてきました。「新老人」(new elderly)を、日野原重明先生は自立し、次世代の規範となる老人と定義していますから、まさに本来の長寿のことです。
沖縄は日本一の長命県です。女性の平均寿命(0歳平均余命)は今もトップを誇り、65歳以上の平均余命は日本のトップを維持しています。しかも沖縄には長寿者が多いですから、長命県ではなく、長寿県なのです。
沖縄県の長寿はどうしてうまれたのでしょうか。それを詳細に紹介したのが拙著の「百歳の科学」であり、「OKINAWA PROGRAM」です。「OKINAWA PROGRAM」の和訳書「オキナワ式食生活革命」には日野原先生の推薦を頂きました。
日野原先生には、「新老人の会」沖縄支部の立ち上げ支援のため、沖縄で1月、フォーラムを開いて頂きました。2500席の前売り券は2週間で完売となりました。沖縄県民がいかに先生の来沖を首を長くして待っていたかがわかります。予想に違わず素晴らしく熱のこもった講演に聴衆は酔いしれました。先生は傑出長寿のモデルであり、沖縄県民の憧れの的なのです。(「新老人の会」沖縄支部世話人代表、琉球大学名誉教授)(読売) Tweet

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