Wednesday, September 23, 2009

腹黒い

意地悪(mean)で陰険(sly)、心に何か悪巧みを持っている(crafty)ような人――。あなたの周りにも、こんな「腹黒い」タイプがいませんか。black‐hearted, conniving,maliciousなどが「腹黒い」の英訳として可能です。
 昨年、北京五輪柔道金メダリストの石井慧選手が福田首相(当時)と面会し、その後記者団に語ったコメントがちょっとした物議をかもしました。
 「福田総理は腹黒いところがないので人気がないのかもしれない」(Prime Minister Yasuo Fukuda is probably not popular because he’s not so wicked.)
 褒め言葉のつもりだったのでしょうが、「腹黒い政治家」(scheming politician)と言うと、駆け引き(maneuvering)や寝技(behind‐the‐scenes dealings)にたけている人物を指し、ふつうはネガティブなイメージです。
 日本語には「腹」を使った慣用句が多数あります。「腹を決める」(make up one’s mind)、「腹の虫が治まらない」(cannot contain one’s anger)、「腹を割って話す」(speak frankly)などが、すぐに思いつくでしょう。相手の意図を知ろうとして心をうかがうことを「腹を探る」と言いますが、こちらは try to figure out one’s true intentionsと英訳できます。ちなみに、「痛くもない腹を探られた」は、I was unduly suspected.です。
 今回の総選挙では、民主党の大勝もあって、多くの新人議員が誕生しました。腹黒いのは政治家として当然の資質――などとは考えずに、まずは「腹を据えて」(prepared[determined]to do any job)国政に参加してほしいものです。(桜井陽介記者)(読売)

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