志賀原発、異物混入が続発
北陸電力志賀原発2号機(石川県志賀町)で今年4月以降、原子炉や核燃料貯蔵プールから、金属や布など異物が相次いで発見されている。原子炉内から異物が見つかるのは、1993年の1号機運転開始以降、1、2号機を通して初めてのことだ。
原子炉内に異物が入ると、どんな危険があるのか。経済産業省原子力安全・保安院の山本哲也・原子力発電検査課長は「最悪の場合、燃料棒を傷付け、放射性物質が漏れ出す可能性がある」と指摘する。
実際、2号機では、外部への放射能漏れはなかったものの、高濃度の放射性ガスが出ている。また、柏崎刈羽原発7号機(新潟県柏崎市・刈羽村)で7月末、通常値を上回る放射線が検知されたのも、異物が入り込み、燃料棒に小さな穴をあけたのが原因とみられている。
異物が核燃料を傷付けるトラブルは、これまで全国の原発で20~30件起きたが、制御棒を挿入して傷ついた燃料棒を抑え込むことで、放射能が外部に漏れたり、原発が停止に追い込まれたりするケースはなかったという。
2007年の臨界事故隠し発覚以降、北電は、信頼回復のため、広報体制を見直し、以前なら発表しなかった小さな案件も積極的に公表し情報公開に努めてはいるものの、さらに透明性やわかりやすさに配慮する姿勢が求められる。 志賀原発内では、運転中は北電と協力企業の社員計約600人、定期検査中はピーク時で協力企業の社員約1600人が働く。北電では、協力企業のリーダー社員を指導し、そのリーダーがノウハウを各社に持ち帰り、現場に入る社員を指導しているが、第一線の現場レベルでのミス防止教育は、協力企業に依存する部分も大きいのが現状だ。(読売) Tweet

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