Wednesday, March 31, 2010

「かかりつけ医制」姿消す

75歳以上が対象の後期高齢者医療制度に関連し、かかりつけの担当医を決める「後期高齢者診療料」や、回復が難しい患者の治療方針を話し合って文書化する「終末期相談支援料」が、4月からの診療報酬改定で姿を消す。医療現場からはこうした仕組みを評価する意見もあっただけに、わずか2年での廃止に「残念」との声も聞かれる。
 後期高齢者診療料は、決められた担当医が患者に計画的な診療を継続した場合に支払われ、月6千円の定額にする「包括払い」が導入された。
 しかし、1人しか担当医になれないため、患者の囲い込みによる他の医師の報酬減や、患者がどんな医療機関にもかかれる自由(フリーアクセス)が制限されかねないとの懸念から、地方医師会などが強く反対。厚生労働省の調査では、算定の届け出をした診療所は全体の約1割にしかならなかった。
 ただ、札幌市の内科医は「複数の疾患がある高齢者が総合的に診てもらうことはメリットが大きく、支持する医師も少なくなかった」と話す。
 また、終末期相談支援料は「国民的な理解が得られていない」として導入から間もなく凍結、そのまま廃止に。(山陽)

Monday, March 29, 2010

新型インフル大流行の定義で議論

世界保健機関(WHO)のフクダ事務局長特別顧問(新型インフルエンザ担当)は29日、国連欧州本部で記者会見し、新型インフルエンザの世界的大流行(パンデミック)の定義の在り方などを議論する外部有識者による委員会を設置することを明らかにした。
 委員会は加盟各国の公衆衛生専門家や科学者ら29人で構成。4月12~14日に初会合を開き、中間報告を5月のWHO総会に、最終報告を来年5月の同総会に、それぞれ提出する。
 昨年6月にWHOが大流行を宣言した新型インフルエンザをめぐっては、多くの患者の症状が比較的軽かったため、地理的な感染拡大だけで判断するWHOの現行定義には「いたずらに混乱を招く」などの批判が上がっていた。(山陽)

Sunday, March 28, 2010

ギョーザ事件容疑者、犯行自供

中国公安省当局者は28日、共同通信など一部日本メディアと会見し、中国製ギョーザ中毒事件で拘束した呂月庭容疑者(36)が2007年夏に、ギョーザに混入した有機リン系殺虫剤「メタミドホス」をギョーザ工場内で盗み、冷凍保存庫で3回にわたって注入したと供述していることを明らかにした。
 工場側は一貫して「メタミドホスは工場内にはない」と否定していたが、工場で呂容疑者が入手していたことが分かったことで、管理体制も問われそうだ。
 同当局者は呂容疑者が「一貫して重要な捜査対象」だったと指摘した。呂容疑者が妻や親せきに「自分がやった」と認めていたことなどから3月16日に聴取を開始し、21日に本人の供述通り、工場内の下水道から注射器を発見。急転直下、事件が解決に向け動きだしたことも明らかにした。
 動機については、ギョーザ工場の臨時従業員だった呂容疑者が正社員との給与格差が大きかったことなどに不満を抱いていたと語った。(東京)

Friday, March 26, 2010

過労死防止へ健康診断強化

厚生労働省は25日、職場で実施する定期健康診断で、血液、血圧、心電図などの検査結果に何らかの異常が見られた労働者の割合(有所見率)が高かった事業場に対し、改善に向けた取り組みを強化するよう指導する方針を決めた。同日、各都道府県の労働局と日本経団連など約200の業界団体に通達を出した。
 厚労省が50人以上の事業場を対象に2008年に実施した調査によると、有所見率は51・3%で9年間で約8ポイント増加。脳・心臓疾患による労災支給決定件数も08年度は377件と増加傾向にある。労働局ではこれまで事業場に健康診断の結果報告を求めるだけだったが、過労死を防止するためにも取り組み強化が不可欠と判断した。
 全国に300以上ある労働基準監督署が、有所見率が高いと判断した事業場をそれぞれ一つ以上抽出。労働者の作業内容の転換や労働時間短縮などの措置を確実に実施するよう指導し、保健指導や健康教育も行うよう要請する。(山陽)

Thursday, March 25, 2010

冷却パッドでアレルギー

厚生労働省は24日、福井県越前市の寝装品製造会社「オーシン」の「冷却ジェルパッド朝までクール」を使った人に、皮膚の腫れやかゆみなどのアレルギー症状が出る事故があったと発表した。
 製品は、布団のシーツや枕カバーの下に敷く冷却パッドで、中のジェルが体の熱を吸収する。昨年7~8月にかけ兵庫県の女性2人が症状を訴え、同社は製造や販売を中止した。ジェルに含まれる防腐剤の成分が染みだし、皮膚についたのが原因とみられるという。
 店頭などの在庫は回収済みだが、厚労省は購入した人に対し、シーツやカバーを掛けて使用し、腫れやかゆみが出た場合は使用をやめて皮膚科医を受診するよう求めている。製品は2007年以降、約63万5千枚が販売された。(山陽)

Wednesday, March 24, 2010

介護ドクターフィッシュ、足湯で“治療”

人の角質を食べ、皮膚の代謝を良くすることから、「ドクターフィッシュ」と呼ばれる淡水魚「ガラ・ルファ」。下関市一の宮町4に来月、オープンする通所介護施設「三伶デイサービスセンター」は、この魚が泳ぐ足湯コーナーを備えている。介護施設への導入は全国でも珍しいという。
 訪問介護事業などを手がける三伶企画が新設。八木保社長(39)が昨夏、旅先でドクターフィッシュの足湯を初体験。吸い付くようについばまれるその不思議な感覚に感動し、「利用者にも、ぜひ体験してほしい」とサービスメニューの一つとして導入を決めた。
 縦横1・5メートル、深さ35センチの水槽には、30度前後のぬるま湯に5~7センチの約600匹が泳いでおり、足をつけると一斉に寄ってくる。
 体験した介護スタッフの野村健一郎さん(66)と満子さん(62)夫婦は「ぴりぴりとした気持ちの良い刺激で、癖になりそう。カサカサだったかかとがすべすべになりました」と話していた。 問い合わせは同センター(083・260・1261)へ。(読売)

Tuesday, March 23, 2010

中年期の体重増減にご用心

中年期以降に体重が5キロ以上減った人は、変化が少ない人と比べると、死亡リスクが男性で1・4倍、女性で1・7倍との研究結果を、厚生労働省研究班(主任研究者・津金昌一郎国立がんセンター予防研究部長)がまとめ、23日公表した。
 5キロ以上増えた人の死亡リスクは、男女とも1・3倍だった。
 結果をまとめた国立国際医療センターの南里明子研究員は「特に大幅な体重減少は死亡リスクを高める可能性があり、一定の範囲内に体重を維持することが重要ではないか」と話している。
 研究班は、岩手、秋田など10都府県に住む40~69歳の男女約8万人を調査。登録後、最初の5年間の体重変化によって5キロ以上減少、2・5~4・9キロ減少、変化が2・4キロ以内、2・5~4・9キロ増加、5キロ以上増加の5グループに分け、その後平均約9年間、生存状況を追跡した。
 その結果、もともとの体格指数(BMI)や年齢、喫煙習慣の有無にかかわらず、体重変化が大きいと死亡リスクは高かった。(山陽)

Thursday, March 18, 2010

「高い所に卵産むと大雪」カマキリ予報的中

「カマキリが高い所に卵を産むと大雪になる」との言い伝えを基に、新潟県長岡市の電気通信会社役員酒井与喜夫さん(74)が、40年にわたって冬の積雪を予測している。
 同県などの日本海側が、「暖冬、少雪」と予報されていた今冬も、年末から1月にかけての大雪を予知し、昨秋冊子にまとめていた。昆虫の専門家は「言い伝えに科学的根拠はない」とみるが、酒井さんの予測はよく当たるため、「カマキリ博士」と評判になっている。
 新潟地方気象台によると、この冬の最深積雪量は、魚沼市入広瀬で275センチ、上越市安塚246センチ、新潟市81センチ。酒井さんの予想は、それぞれ267センチ、228センチ、33~48センチだった。酒井さんが積雪の予測を始めたのは、会社を興した1963年(昭和38年)。この年は「三八豪雪」と呼ばれる大雪で、自社で扱うテレビアンテナが雪の重みで壊れるなどの被害が多発し、雪への備えの必要性を痛感したという。
 その際、頭に浮かんだのが、子どもの頃から聞かされていた、カマキリの卵と降雪に関する言い伝え。数多くの卵を調べれば、予測が可能になるのではないかと考え、独自調査を始めた。
 調査は、県内を中心に多い年は280か所、2800個以上に。卵の観察から、「カマキリは、卵を産み付ける木を通じて、地球の水分量の変化を察知しているのでは」と思い立ち、地中から木に伝わる振動を自作の低周波測定器で調べた。以来、そのデータが積雪予測の基になっている。
 酒井さんはこれらのデータを約25年前から冊子にまとめ、会社の取引先などに配布している。この冬の約250か所の積雪予想について、「ピタリ3割、誤差数%が3割、外れが3割くらい」と話す。過去25シーズンも、平均するとほぼ今冬と同程度の精度で予知してきたという。
 一方、昆虫の専門家は、「言い伝えは偶然にすぎない」との見方で、京都大農学部の藤崎憲治教授(昆虫生態学)は、「卵は雪に埋もれても死滅することはなく、むしろ孵化率は増す」としている。(読売)

シンプルな葬送スタイル

通夜・告別式をせず、遺体を火葬するだけの「直葬」。もっともシンプルな葬送スタイルとして定着しつつある。背景には、費用問題や高齢化、核家族化などがある。簡素化する弔いは社会の「今」を映し出している。 (飯田克志)
 「数字で把握はしていないが、十年前に比べて四、五人で参列する直葬と思われるケースは増えている」
 年間約一万三千五百人、国内の死者の約1%を荼毘(だび)に付す「戸田葬祭場」(東京都板橋区)の村川英信研究開発部長は、こう直葬の状況を話す。
 直葬は、遺体を病院や自宅から直接火葬場へ移送▽家族らは火葬場に集まり、火葬炉前のホールで最後のお別れ▽火葬後、収骨して火葬場で解散-が基本的な形式。火葬の際に僧侶に読経を依頼する場合もある。都内での葬儀費用は会葬者百人ほどで百万~二百万円といわれるが、直葬だと十五万~三十万円程度だ。
 だが、直葬はもともと、身寄りのない人が亡くなった場合や、生活保護を受けている人が葬祭扶助の範囲で費用を収めるための葬送方法だった。
 景気低迷で生活保護世帯は増加。葬祭業「富士の華」(千代田区)の野田穂積代表は「生活保護の方の利用が年々増え、想像以上」と驚きを隠さない。経済的理由が直葬志向を後押ししている。
 さらに大きな社会変化も関係しているようだ。「長寿化が大きな要因」。葬送問題に詳しい第一生命経済研究所の小谷みどり主任研究員はこう指摘する。「八十代だと子どもも定年になっていて付き合いも減り、きょうだいも亡くなっていることもある。そもそも家族以外で参列者がほとんどいない。葬儀が私的な儀式に変わってきている」
 別の要因もある。十年ほど前から直葬プランを提案してきた「佐藤葬祭」(世田谷区)では現在、三割ぐらいが直葬という。佐藤信顕代表は「周囲のことは気にせず、『面倒くさいから直葬』という感じの人がここ数年増え、最近は半数がこのタイプ。特に団塊の世代が多い」と明かす。
 「近くに親族がいない。ふだんの付き合いもない」と佐藤さん。核家族化の進行で親族との関係が希薄化した。高齢者からも「子どもに負担をかけたくない」「親しい人だけで」などの考えが強まり、こうした背景も直葬が増える要因になっているようだ。
 トラブルもある。町会役員だったある高齢男性の葬儀を直葬にしたところ、付き合いのあった会葬者が一般の葬儀並みに来てしまった。故人の生前の交友関係の確認は必要だろう。近くに親族がいない人の場合、行政が葬儀を手配するが、遠方の親族が遺骨の受け取りを拒んだケースもあったという。
 直葬の普及とともに葬祭業者も新サービスを登場させている。戸田葬祭場は五年前、火葬前に家族が故人と過ごす小部屋を斎場に設置した。毎年四百~五百件の利用がある。富士の華は、直葬と共同墓による永代供養をセットで生前契約するサービスを提案。自身の墓を不要と考えたり、子どものいない夫婦の関心が高いそうだ。
 直葬専門をうたう業者も増え、費用十万円を切る広告もある。葬儀相談業「リリーフ」(川崎市)の市川愛代表は「金額には大きな差はないかもしれないけれど、葬儀社の対応をみるために、最低二社は見積もりを取ってほしい」と助言する。(東京)

ファイザー「後発薬」国内参入へ

製薬世界最大手の米ファイザーの日本法人は1日、2011年にも国内で後発医薬品(ジェネリック医薬品)事業に参入する計画を発表した。後発薬で世界最大手のテバ・ファーマスーティカル・インダストリーズ(イスラエル)も来年1月に日本で営業を始める予定だ。海外勢の相次ぐ参入で、安価な後発薬の普及が進む可能性がある。
 ファイザーは今春から米国で、9月から欧州で後発薬事業に本格参入。日本法人にも9月に専門部署を設け、準備を進めている。
 医薬品に占める後発薬の比率(数量)は、欧米主要国では5割を超えているが、日本は2割程度にとどまっており、政府は医療費の抑制のため12年度までに30%以上に引き上げる目標を掲げている。(読売)
 医療機関で処方されるお薬(医療用医薬品)には、同じ成分・同じ効き目でも、価格の高いお薬と安いお薬があります。高い方のお薬は「新薬(先発医薬品)」、安い方のお薬は「ジェネリック医薬品(後発医薬品)」。
ジェネリックとは「一般的な」「総称の」という意味を持つ英語で、欧米では、商品名ではなく薬の有効成分名である一般名で処方されることが多く、ジェネリック医薬品と呼ばれている。

Wednesday, March 10, 2010

非核三原則の見直しを

安保条約改定も沖縄返還も、日米の国益をかけた外交交渉で、ぎりぎりの妥協が不可欠であり、密約は苦渋の選択だったはずだ。
 「過去」の検証は、日本外交を見直すプロセスだが、より重要なのは、日本の「将来」の安全保障である。日米同盟の強化に検証を生かす発想が大切だ。
 鳩山首相や岡田外相は、「核を持たず、作らず、持ち込ませず」という非核三原則を今後も堅持する方針を改めて表明した。
 政府は、核搭載艦船の日本寄港などを事前協議の対象とするとの立場も変更しないという。
 だが、米国は、全世界にある米軍の核兵器の所在について肯定も否定もしない原則を持っている。日米どちらかが例外規定を設けない限り、両者は矛盾する。
 外務省は、91年の米軍艦船からの戦術核の撤去宣言により、当面、不都合は生じない、とするが、問題の先送りにすぎない。
 米軍の核抑止力を機能させるため、「持ち込ませず」のうち、核兵器の日本国内配備の禁止は継続するとしても、寄港・通過などは除外することを、政府は真剣に検討すべき時である。
 オバマ米大統領が提唱する「核なき世界」は、あくまで遠い将来の理想にすぎない。北朝鮮の核の脅威や中国の軍事大国化など日本周辺の現状を踏まえれば、米国の「核の傘」は不可欠だ。
 非核三原則を掲げた佐藤首相でさえ、69年10月に「『持ち込ませず』は誤りだった」と外務省幹部に語っていたことが、公表された外交文書で明らかになった。
 鳩山政権が、非核三原則の見直しはタブーだと思い込んでいるのだとすれば、健全な安全保障論議ができなかった半世紀前の密約締結時と変わらない。(読売)

密約認定で自治体から批判相次ぐ

外務省の有識者委員会が核持ち込み密約を認めたことを受け、被爆地や米軍基地を抱える自治体からは、「被爆者の思い欺いた」「国民の信頼損ねた」とこれまでの政府の対応を批判し、非核三原則の法制化を望む声が相次いだ。
 「歴代首相はどの面下げて8月6日の平和記念式典に参列したのか」と憤るのは広島県原爆被害者団体協議会の坪井直理事長。「鳩山由紀夫首相は非核三原則の法制化を進めてほしい」
 広島県の湯崎英彦知事は「核廃絶は原爆の惨禍を経験した広島県民の願い。非核三原則に反することがあったなら極めて遺憾」とコメント。長崎市の田上富久市長は「広島市とともに、非核三原則の法制化をあらためて要望したい」と話した。
 神奈川県横須賀市の吉田雄人市長は「政府は(核兵器を搭載していた可能性もある)米艦船が入港する地元負担をどう考えていたのか。『うそ』を修正する努力がなされなかったのは看過できない」と不快感をにじませた。
 沖縄県の仲井真弘多知事は「日常的に原子力潜水艦が寄港している本県の県民に不安を与え、外交に対する信頼を損なうもので、極めて遺憾だ」とコメント。(山陽)

Tuesday, March 09, 2010

禁忌薬処方で死亡の訴え

兵庫県立加古川医療センター(旧県立加古川病院)で、皮膚病の治療を受けた女性(当時74歳)が肝不全で死亡したのは、肝障害がある場合に使ってはいけない薬を5年余り処方されたためだとして女性の長女が病院を相手に申し立てた調停が先月、神戸簡裁で成立した。
 病院側は投薬との因果関係は明らかにしていないが、死亡に「遺憾の意」を表明。禁忌や副作用に配慮した処方をすると異例の約束をし、別に解決金299万円を支払った。
 女性は、皮膚表面が乾燥して硬くなったりする角化症で、治療薬「チガソン」(一般名エトレチナート)を処方された。しかし、ビタミンAに似た作用を持つ成分が肝臓にたまるおそれがあり、製造販売元の中外製薬は、肝機能障害のある患者には「禁忌」と、添付文書に記載している。
 長女側によると母親は過去に肝機能障害で別の病院に入院。加古川医療センターでの投薬前にも血液検査で肝機能障害が疑われる結果が出ていた。服薬後の2000年には、かかりつけの診療所で肝硬変と診断され、05年に亡くなった。
 長女側代理人の岸本達司弁護士は「病院が薬剤の投与のあり方まで調停で約束するのは異例。投薬方法の問題性を事実上、認めたと評価できる」としている。(読売)

結核集団感染

東京都と私立中高一貫校の聖徳学園(東京都武蔵野市)は8日までに、同学園の生徒と教員が結核に集団感染したと発表した。都によると、感染者は35人で、中学生2人が入院するなど9人が発病したが、いずれも治療を受け、感染が広がる可能性はないという。
 都はせきやたんの症状が2週間以上続くなど、結核が疑われる症状があれば、すぐ受診するよう都内の学校に通知した。
 都福祉保健局によると、昨年4月、中学2年の男子生徒が肺結核と判明し入院。11月には、この生徒と1年の時に同じクラスだった2年の男子生徒が感染性肺結核と分かり、入院した。
 その後の健康診断で、今年3月までに中学生と高校生、中学校教員の男女計35人の感染が確認された。(山陽)

Saturday, March 06, 2010

入れ歯安定剤を自主回収

製薬会社の英グラクソ・スミスクライン社の日本法人(東京)は4日、同社製入れ歯安定剤「新ポリグリップEX」の販売を中止し、自主回収すると発表した。
 製品に添加された亜鉛の影響で、指定された用量(1日3センチ、0.69グラム)の8倍を7年間以上使用するような長期間の過剰摂取で貧血などの症状が出る可能性があるという。2007年9月の発売以来、年間約100万本出荷されている。「EX」以外の同社の入れ歯安定剤には亜鉛は含まれていない。(読売)

Friday, March 05, 2010

検査取り違え、別人の前立腺摘出

東北大病院(仙台市)は4日、検査結果の取り違えから2007年12月に前立腺がんではない宮城県内の70代男性から前立腺を手術で全摘出する医療ミスがあったと発表した。がんが見つかっていた別の同県の50代男性は2年半放置され、ミス発覚後に全摘出手術を受けた。
 病院は男性2人に謝罪した。これまで2人に特段の合併症や異常はないとしている。
 東北大病院によると、男性2人は07年6月28日、前立腺がんの疑いがあるとして組織を検査。50代男性はがんと判明し、70代男性はがんではないと確認されたが、病理部医師が検査結果を記す報告書に取り違えて記入。70代男性は07年12月、摘出手術を受けた。
 この男性から摘出した組織の病理診断報告が未提出だったため09年12月にあらためて調べると、男性の組織からがん細胞は確認されず、取り違えが発覚した。
 里見進病院長は「再発防止と医療への信頼回復に一層の努力を重ねる」とコメント。(共同)

Thursday, March 04, 2010

津波の高さ測定

南米チリで起きた大地震で2月28日、青森、岩手、宮城3県の太平洋沿岸部に17年ぶりの大津波警報が発令され、全国計118か所で10~120センチの津波が観測された。
 津波の高さというのは、どのようにして測るのだろうか。
 気象庁が発表している津波の高さは、全国の海岸など171か所の施設で観測される。このほとんどを占めるのが、海岸から10メートル程度陸に入った場所に、深さ数メートルまで掘った井戸で観測する「検潮所」。地中に埋め込んだ直径20センチ程度の導水管から海水を引き込み、井戸に浮かべたブイの浮き沈みを基に潮位、つまり海面の高さを観測している。わざわざ井戸に海水を引き込むのは、風などで生じる細かい波の影響を排除するためという。同庁が発表する潮位は、日本各地の標高と同じように、東京湾平均海面を0として計算している。
 平常時の潮位に比べ、潮位の上昇分が津波の高さとなり、このデータは、オンラインで東京・千代田区の気象庁まで常時届けられている。
 観測施設の中には、チリ地震など遠地で発生した津波を、日本で最も早くキャッチするための特殊な施設もある。今回の津波でも全国で最初に10センチを観測した小笠原諸島・南鳥島だ。
 日本本土の南東約2000キロに位置する日本最東端で、チリからの津波だと、本土よりも約1時間早く到達する。このため同庁は、同島近くの水深数メートルの海底に圧力計を設置して、上を通過する水の量を測ることで潮位を計算している。データは同島観測所から運輸多目的衛星「ひまわり6号」を経由して送信され、同庁幹部は「日本への津波の規模を知る上で、重要な手がかりとなる」とする。
 今回の津波は、10~20センチの場所も多かったが、津波の危険性は、単純に津波の高さだけで決まるものではない。
 例えば、高さ20センチの津波でも、満潮時であれば、被害が出る可能性もある。海は満ち引きを繰り返している。「干潮時に50センチ以上の津波を観測しても、海面の高さは普段と変わらないように見えることもある反面、満潮時であれば20センチの津波でも岸壁を乗り越える危険性がある」。気象庁海洋気象課の白石昇司主任技術専門官はこう指摘している。(読売)