Tuesday, August 24, 2010

交流深め、孤独死防げ 大都会の限界集落

65歳以上のお年寄りが半数を超え、将来は消滅する恐れもある限界集落。そんな過疎地の象徴が都心にもある。東京都新宿区の都営戸山団地。16棟の総戸数は約2300戸で、住民の過半数が65歳以上と見込まれる。希薄だった住民同士の交流を見直し、孤独死を防ごうとする取り組みも始まっている。
 「ここは都会の限界集落だね」。8月の昼下がり、団地を歩きながら、住民でNPO法人「人と人をつなぐ会」の本庄有由会長(72)が自嘲気味に話した。
 「戸山団地に単身で入る人は、ほとんどが60歳以上。自治会活動も数年前からできない状態だ」。本庄さんの言う通り、夏休みというのに巨大な団地のどこを歩いても、若い家族の姿は見られなかった。
 団地の一角では、野菜などを売る移動商店が開かれ、年配の女性数人が品定めをしていた。遠出ができないお年寄りも多く、週3回も開かれる。
 本庄さんは数年前、同じ棟で孤独死した78歳の男性の現場に立ち会った。身寄りはあっても疎遠だった。その年、団地から12人の孤独死が出た。
 本庄さんも妻を亡くし、子供との付き合いはない。「明日はわが身。何とかして安心できるコミュニティーにしたい」(山陽)

0 Comments:

Post a Comment

<< Home