Sunday, August 22, 2010

孫育て学ぶ 昔と様変わり 育児の『常識』

乳幼児の育て方の「常識」が、親世代と祖父母世代で異なり、行き違いが生じることがある。両世代が気持ち良く、自信を持って子育て、孫育てができるよう、今と昔の子育ての違いを教える講座が盛んだ。 (佐橋大)
 「昔は、離乳食の準備は生後二カ月ごろから始めました。今は六カ月ごろから始めるようになっています」。東京都台東区の日本助産師会館の一室で、講師役の助産師の説明に、なるほどとうなずく面々。日本助産師会が月に一回開いている「子育て・孫育て講座」の一こまだ。
 講座は一昨年から、奇数月と偶数月でテーマを変えて開いている。受講料は一回千円。今月六日は、母乳育児や離乳食の考え方の違いを学んだ後、赤ちゃんのタッチケアを実習した。
 娘の出産を控え、大田区から参加した五十代の女性は「母乳で育てている間は、風呂上がりに、さゆを飲ませなくてもいいの」と質問。「その必要はないですよ。母乳でいいです」。講師の説明に、女性は「私たちが育児をしたころとは違ってきていますね」と驚いた様子だった。
 同助産師会専務理事の岡本喜代子さんは「幼い子のためにという思いは、親も祖父母も同じ。ただ手法が違うために、戸惑いが生じる」と説明。昔と今で変わったことと変わらないことを確認してもらい、孫育てに自信を深めてもらうのが講座の狙いという。
 同会によると、子育てにかかわる世代間ギャップはさまざまだ。
 同会は、講座で伝えている要点や孫を預かるときの注意点などを、より多くの人に知ってもらうための手引書「おまごBOOKミニ」も作り、今月二十三日から販売する。一冊二百十円(別に送料が必要)。申し込みは、日本助産師会出版=電03(5809)3836=のホームページ(同名で検索)からできる。
 都内では昨年ごろから、区やNPOが同様の講座を開く機会が増加。今年五月に初めて企画した孫育て講座が好評だったという三重県鳥羽市は、十一月にも同じ内容の講座を開く。愛知県半田市も今月二十九日に、初孫を待つ祖父母向けの「はじめての孫育て講座」を初めて開講する。
 「健診や電話相談などで、祖父母世代からの相談が増え、関心の高まりを感じる」。こう話す半田市の担当保健師は、背景に親の共働きや、親と祖父母が近くに住むことが増え、祖父母世代が育児で頼られやすくなった状況を挙げる。
 同時に、少子化による孫の減少に伴い、孫育てに慣れる機会が減った祖父母世代の多くは、孫の扱いに戸惑いや不安を感じるようになったという。(東京)

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