Sunday, October 18, 2009

緑内障診断時 66%視野欠落

放置すれば失明に至る緑内障と診断された時、既に3人に2人は視野が欠けていたことが、患者団体「緑内障フレンド・ネットワーク」(柿沢映子代表、会員1600人)の調査でわかった。早期には自覚症状がほとんどなく、進行してから発見される緑内障の怖さが改めて明らかになった。
 緑内障は、視神経が傷ついて視野が徐々に欠けていく病気で、中途失明の原因の1位。いったん欠けた視野を回復させる治療法はなく、進行を止めたり、遅くしたりするために、早期発見・早期治療が大切になる。日本緑内障学会が岐阜県多治見市などで行った疫学調査では40歳以上の約5%が緑内障とわかり、全国で約300万人の患者がいると推定されている。
 同ネットワークは8~9月にかけて会員にアンケートを行い、824人から回答を得た。
 それによると、緑内障と診断された年齢は平均で51・6歳。診断時に、66%に当たる543人は既に視野が欠けており、「半分程度」から「かなり」欠けていた人は全体の2割に上った。
 それでも、診断前に「視野が狭く感じる」という自覚症状があった人は1割だけ。目の異常を感じていても、8割は「老眼」や「視力の低下」「目の疲れ」が原因と思いこみ、緑内障かもしれないと考えた人は17人(5・7%)に過ぎなかった。
 自身も緑内障だが、診断されるまで気づかなかったという同ネットワーク事務局長、野田泰秀さん(74)によると、会員の中には、免許の更新に行って初めて片目が失明していることを知った人もいるという。
 野田さんは、「あまりにもゆっくり進行するため、欠けた視野を目や顔を動かして補う癖が自然と身につき、なかなか気づくことができない」と早期発見の難しさを語り、「少なくとも、緑内障が増える40歳になったら、年に1度は検査を受けて」と呼びかける。
 緑内障が専門の大阪厚生年金病院眼科部長、桑山泰明さんは「自覚症状がないので、緑内障と診断された人さえ放置することが多いが、失明に至る深刻な病気。ここ10年で検査も治療も発達し、早期に治療すれば、ほとんど失明することはなくなったので、早めの対応を心がけてほしい」と話している。(読売)

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