Wednesday, October 07, 2009

情報に「ズレ」脳が混乱

秋は行楽のシーズン。車やバスなどに乗る機会も多いが、乗り物に弱い人にとって移動時間は憂うつだ。乗り物酔いに「克つ」方法を紹介する。
 乗り物酔いが起きるのは、乗り物による加速や揺れなどで、目や足の情報のほか、平衡感覚をつかさどる内耳にある三半規管の情報にズレが生じることで脳が混乱するためだ。その結果、内臓をコントロールする自律神経の働きが不安定になり、頭痛や吐き気を催す。睡眠不足や低血圧、「酔ってしまうかも」という不安も、自律神経に変調をきたす原因となる。
 「『乗り物酔い』撃退ブック」(マキノ出版)の著者で、目白大学教授(耳鼻咽喉科学)の坂田英明さんは「乗り物酔いを撃退する7か条」を提唱している。そのキーワードは、〈1〉暗示〈2〉睡眠〈3〉服装〈4〉位置〈5〉姿勢〈6〉薬〈7〉アルコールだ。
 なかでも暗示の効果を強調し、「例えば子どもの場合、親が『あなたは酔いやすいから』と心配するほど酔いやすい。リラックスした気持ちで、自分は大丈夫だと信じることが大切」と語る。
 その上で、十分な睡眠を取り、腹回りなどを締め付けない、ゆったりとした服を着て、バスの前方や船の中央など振動や傾きの少ない席に座ることを心がけたい。
 座る際にはあごを引く。三半規管の中にはリンパ液があり、あごを引けば液の動きを抑えられ、酔いにくくなるからだ。視線は進行方向や遠くの景色に向ける。酔い止めの薬を服用するのも一策だ。大人の場合には、少量のアルコールを摂取するのもいい。
 中には様々な試みをしても、一向に乗り物酔いが改善しない人もいる。坂田さんは、「その場合は耳や脳の病気の可能性もあり、専門の医師に相談を」と話している。(読売)

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