Saturday, January 01, 2011

消化管「伸び」の働き解明 

消化管が伸び縮みするときの「伸び」を察知するたんぱく質の働きを、自然科学研究機構生理学研究所(岡崎市)と富山大学の研究チームが解明した。消化不良感を引き起こす機能性胃腸症や下痢・腹痛を繰り返す過敏性腸症候群などの原因究明、治療薬開発につながる可能性があるという。8日付の米神経科学学会誌「ジャーナル・オブ・ニューロサイエンス」(電子版)に掲載される。
 同研究所によると、日本人の多くが経験する胃もたれなど消化不良感は、消化管の動きや知覚過敏が引き起こすと考えられてきたが、詳しいメカニズムは分かっていなかった。
 研究チームは、同研究所の富永真琴教授(分子細胞生理学)と富山大学大学院の杉山敏郎教授(消化器病学)らで構成。今回、マウスを使った実験で、消化管の神経細胞に含まれる「TRPV2」というたんぱく質が、消化管の筋肉を緩めさせる一酸化窒素の放出を促していることを突き止めた。
 さらに、TRPV2を活性化させる薬を使うと、小腸が緩み、内容物がスムーズに移動することを実験で確認。逆にTRPV2の働きを抑える薬の投与によって消化管が緩まなくなることも分かった。下痢と便秘を繰り返す過敏性腸症候群の治療に役立てることが可能という。(読売)

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