Friday, September 24, 2010

ロボット手術後、死亡…名大病院

名古屋大学医学部付属病院(名古屋市昭和区)は、内視鏡手術ロボット「ダビンチ」を使い、遠隔操作で胃がんを切除した70歳代の男性患者が5日後に死亡した、と22日発表した。
 同病院は「ロボットに不具合はなかった」とする一方、「患者の死亡と手術との因果関係は不明」とし、厚生労働省のモデル事業で診療関連死の原因究明を行う第三者機関に調査を申請した。
 松尾清一院長らによると、男性は今月上旬、胃前庭部の早期がん切除手術を受けた。手術中に膵臓を損傷し、縫合したが、翌日に腸管壊死が発生。さらに筋膜炎も併発し、5日後に多臓器不全で死亡したという。
 ダビンチは米国製。3~4本のアーム(腕)の先端に内視鏡や電気メス、鉗子を取り付け、医師は数メートル離れた操縦席で、手術部位の立体映像を見ながら操作する。メスなどを操る際の手ぶれを補正する機能などもあるため精度の高い手術が可能とされる。欧米や韓国では計1万台以上が稼働しているが、国内では保険診療の適用外のため、今年3月現在で計13台にとどまっている。
 同病院も3月に導入したばかりで、胃の手術としては今回が4例目。導入初期のため、数百万円とみられる手術費用は無料としていた。胃の手術への活用は当面中止し、外部有識者を招いた院内調査委員会でも検証するという。
 松尾院長は「ご遺族に哀悼の意とおわびを申し上げる。ロボットによる先進医療は国内でも広がっていくべきで、だからこそ事実を公表し、検証する必要があると考えた」と述べた。(読売)

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