Sunday, September 19, 2010

さい帯血バンク、赤字2億円

白血病患者らへの移植治療に用いる、さい帯血を保存、提供する「さい帯血バンク」が、全国11か所で年間総額約2億円の赤字に陥っていることが、日本さい帯血バンクネットワーク(会長・中林正雄愛育病院院長)の調査でわかった。
 財政難から存続が危ぶまれているバンクもあり、18日に開く全国大会で集約化も含めた対策を話し合う。
 さい帯血は、へその緒や胎盤の血液で、赤血球や白血球を作り出す細胞が豊富に含まれる。移植は国内では1994年に始まり、2009年は骨髄移植1216件に対し、さい帯血移植は882件実施された。
 バンクは、大学や血液センターなどが母体となり運営。公的医療保険の診療報酬(1件17万4000円)と、国からの補助金(年間約6億円)が主な財源で、09年度は計約8億円だった。
 しかし、同ネットによると、冷凍保存などに1本百万円以上かかり、運営母体からの補填や寄付金の取り崩しで対処している。
 今年3月、NPO宮城さい帯血バンクの財政難が表面化したことから、同ネットが全国のバンクを緊急調査。09年度は全バンクが240万円から最大6300万円の赤字で、総額は2億円にのぼった。移植件数が増えるにつれ、赤字も深刻になったという。
 同ネットでは、運営の効率化に向けたバンクの統合を検討するとともに、「さい帯血移植は今や標準治療。保険診療ですべて賄えるようにすべきだ」(中林会長)と、診療報酬の引き上げを求めている。(読売)

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