チベット人に高地適応の遺伝子
標高4千メートル前後の中国・チベット高原に住むチベット人が、酸素の薄い過酷な環境に適応する中で獲得したとみられる遺伝子の特徴を突き止めたと、中国青海大と米ユタ大の研究グループが14日付の米科学誌サイエンス電子版に発表した。
低地に住む人は、標高が上がると体中に酸素を運ぶヘモグロビンの血中濃度を高めて高地に適応しようとするが、これとは逆に、チベット人の血中ヘモグロビン濃度は低いことで知られる。今回の特徴をさらに分析すれば、高山病などの治療に役立つ可能性があるという。
研究グループは、青海省の標高4350メートル付近に住むチベット人31人の遺伝子を分析。世界の人々の体質にかかわる遺伝子の塩基配列のわずかな違いを網羅した「国際ハップマッププロジェクト」で得られていた中国人と日本人のデータと比較した。
その結果、チベット人は「EGLN1」「PPARA」という二つの遺伝子に特徴があることが判明。研究グループは、これらの遺伝子がヘモグロビン濃度を低く抑えていると結論付けた。(山陽) Tweet

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