核なき世界の実現を
ニューヨークの国連本部で開かれている核拡散防止条約(NPT)再検討会議で7日(日本時間8日)、広島市の秋葉忠利市長と長崎市の田上富久市長が演説。秋葉市長は「ともに核兵器を廃絶しよう」、田上市長も「わたしたち市民の願いはただ一つ、『核兵器のない世界』の実現だ」と訴えた。
被爆者を代表して長崎市の谷口稜曄さん(81)も被爆体験を証言した。3人の演説の場は非政府組織(NGO)会合。各国のNGOメンバーらが核兵器禁止条約や非核地帯条約の必要性などについての意見を各国政府代表に訴え、再検討会議への提言をまとめる。
冒頭で、対人地雷禁止条約(オタワ条約)を主導し、ノーベル平和賞を受賞した米国人ジョディ・ウィリアムズさんがスピーチした。
広島、長崎両市をはじめ世界3880都市が加盟する平和市長会議(会長・秋葉市長)は、2020年までの核廃絶への道筋を示した「ヒロシマ・ナガサキ議定書」を、再検討会議で採択するよう求めている。(山陽)
核兵器による被害:大きく4つに。
1.熱線、可視光:核爆発による、数百万度以上の超高温の火球から放射される熱線により、被害を与える。また火球から放射される閃光(可視光)は視力障害を引き起こす。2.爆風:火球の急速な膨張により、周囲の空気が圧縮され、衝撃波が発生する。これは、爆心地から、ほぼ同心円状にひろがり、被害を与える。その後、火球付近の圧力は低下し、周囲より低くなる。周囲からは、空気が流れ込み、衝撃波とは逆方向に強烈な風が吹き、建物などの被害を拡大する。 地上または地中で、核爆発が起きると、衝撃波により地中に建設された、司令部や兵器貯蔵施設なども破壊される。3.放射線:核爆発により放出される放射線は、アルファ線、ベーター線、中性子線などの高速粒子線と、ガンマ線などの電磁波で構成される。 この他、核分裂により発生する、セシウム137やストロンチウム90などの核分裂生成物、核分裂に利用されず、飛散した核物質、中性子照射により放射性物質に変化した破片など、「死の灰」と呼ばれる放射性降下物を大量に放出、周辺地域を長期に渡り汚染、放射線障害や癌の発生率も高くなる。 4.電磁パルス:核爆発により放出された電磁波により、数千ボルトの電磁パルスが発生。通信、送電、コンピュータ、レーダーなどの機能を一瞬で麻痺させる。特に成層圏で核爆発が発生した場合、影響は広範囲におよぶ。 Tweet

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