Monday, December 06, 2010

海洋ごみ漂流ルートを人工衛星で追跡

ごみを模した電波発信器を日本海へ流し、海洋ごみの漂流ルートを調べている鳥取環境大学(鳥取市)が、位置情報の送信に人工衛星を利用する初めての実験に乗り出す。携帯電話の電波を使ってきたこれまでと違い、地球上のどこからでも追跡が可能に。関係者は「ルートを特定することで、効果的な回収方法などを探る基礎資料にしたい」と話している。
 海洋環境の保全を図る一環で、同大学は環境省の補助を受けて昨年4月からごみの追跡調査を開始。全地球測位システム(GPS)の発信器を装着した筒形容器を毎月数個、千代川(鳥取市)や日野川(米子市)などに流してきた。
 携帯の電波で位置情報を送っていた従来の方法では、電波が届く圏外で情報が途絶えるのが最大の欠点。最も遠くまで漂流したケースでは青森県まで追跡したが、途中で度々圏外に入り、ルートには謎が残った。
 今月に始める実験では、衛星を使って環境データを世界中から集めるシステムを利用。世界中どこからでも通信が可能で、1日2回のペースで位置情報を記録できる。初回は今月、ペットボトル3本を鳥取港から放流。発泡スチロールなども使ったり、放流場所を県外の河川に広げたりもする予定だ。
 調査班リーダーの西沢弘毅講師(32)は「ルートには海流だけでなく風なども影響しているはず。まずは日本海でのごみの動きを突き止め、追跡の手法は将来の国際的な調査にも役立てたい」と話している。(読売)

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