「ラニーニャ」は、この冬を寒くする?
今夏の記録的な猛暑の一因にもなった「ラニーニャ現象」が今も続き、気象庁は、今冬の気温について「暖冬傾向だったここ10年と比べれば、寒さは厳しく、雪も多くなる」と予測する。
ラニーニャ現象は、ペルー沖の太平洋赤道域で冷たい海水がわき上がり、表面の温かい海水が西部に寄せられる現象。インドネシア上空の活発な対流活動などによって北側を流れる偏西風(亜熱帯ジェット気流)を蛇行させる。そのため、日本に大陸からの寒気が入りやすくなり、気温が低くなる。夏は太平洋高気圧の勢力を高めるよう作用する。
気象庁気候情報課の前田修平予報官によると、ラニーニャが観測された2005~06年は大寒波に見舞われた。しかし、ラニーニャでも暖冬になる年もある。
前田予報官は「北極周辺では、寒気が蓄積と放出を繰り返す北極振動が起こることがある。北極に寒気が蓄積されれば、寒波そのものが弱く、日本は暖冬になる。1988~89年が暖冬だったのはそのため」と語る。
今年は北極振動は観測されていないが、東京大学の山形俊男教授(気候力学)は「猛暑の影響で、日本周辺の海水温が高い。時折寒い日があっても冬全体の平均気温はそれほど低くならない」と気象庁の予測と割れる。ただ、「日本海側や北日本で雪が多くなる」とみる。(読売) Tweet

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