Saturday, November 27, 2010

コレステロールは食事と運動が大事な要素

コレステロールは、細胞膜やホルモンなどの材料になる重要な物質です。主に肝臓で作られ、たんぱく質などと結合した「リポたんぱく」という状態で血液中に溶け込んでいます。
 LDLというリポたんぱくの状態で全身に運ばれているのがLDLコレステロール(以下、LDL)、HDLというリポたんぱくで全身から肝臓に回収されるのがHDLコレステロール(同HDL)です。リポたんぱくはほかにも数種類あり、すべてを含めたのが総コレステロールです。
LDLは動脈の血管壁に入って酸化し、それらを炎症細胞が取り込みます。その結果、炎症が進んで血管壁が膨らみ、血管が細くなります。これが動脈硬化です。心臓に酸素を送る冠動脈が動脈硬化を起こすと、心筋梗塞になります。
 また、血管壁にたまったコレステロールは、HDLとして回収されます。このためLDLは「悪玉」、HDLは「善玉」コレステロールと呼ばれるのです。
 一方、脳卒中については、LDLによる影響はあまりないとされています。
脂質異常症(高脂血症)の診断基準は、LDL140以上(単位ミリ・グラム/デシ・リットル)か、HDL40未満(同)です。ただ、この基準値から外れた途端に心筋梗塞の危険性が高まるわけではない。だからLDLが基準値を上回っても、直ちに薬を飲む必要はありません。
 最近では、LDLやHDL以外のコレステロールも心筋梗塞の発症とかかわっていると考えられ、実は総コレステロールの数値も重要なのです。
日本脂質栄養学会は9月、「コレステロール(LDL)は高めが長生き」との指針を公表しました。
 この指針は、がんなどすべての病気を含めた「総死亡率」で分析しており、確かにコレステロールが高めだと長生きに見えます。しかし、コレステロールが低くて死亡した人たちの中には、もともとがんなどの病気や栄養不良の人たちが多かったとも考えられます。
 LDLが上がると心筋梗塞になる危険性が高まる人もおり、一概に下げなくていいとは言えません。
 ただ、心筋梗塞は、性別や年齢、血圧、血糖値、喫煙とも関係が深い。コレステロールを下げる薬を飲んでも、高血圧や高血糖までは改善できません。まずは、バランスのいい食事と適度な運動が最も大切です。新潟大医学部田辺直仁准教授の話(利根川昌紀)(読売)

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