予防接種受けてたのに… 百日ぜき 大人に流行
長期間せきが出続ける百日ぜきが、大人の間で流行している。百日ぜき菌による感染症で乳幼児の疾患とされていたが、二〇〇七年に大学で集団感染があり、大人の間での感染拡大が分かってきた。流行の原因は、乳幼児期に受けたワクチンの免疫効果の減少のようだ。 (杉戸祐子)
百日ぜきの主症状は「長く続くせき」だ。乳幼児だと激しくせき込み、息を吸うときに高音を伴うけいれん性の発作が続く。せきは場合によっては数週間続く。重症化すると死亡したり、後遺症となることもある。
大人では重症化ケースは少ないが、長期間せきが続き、夜間にひどくなる場合が多い。せきぜんそく、風邪などと判別しづらいため診断がつかず、気付かないうちに周囲に感染を広げることがある。
大人に広まっている理由について、北里大の中山哲夫教授(ウイルス感染制御学)は「欧米に比べて予防接種の回数が少なく、十分な免疫が持続していないため」と説明する。「流行が認識され、診断がつかなかった症例が百日ぜきと診断されるようになったこと」も背景にある。
百日ぜきの予防接種はジフテリア、破傷風とともに三種混合ワクチン(DPT)として、乳幼児期に計四回接種する。ジフテリアと破傷風は十一、十二歳で追加接種(DT)があるが、百日ぜきはない。接種後に自然罹患(りかん)による免疫の持続がなければ、ワクチンによる免疫持続期間は「五~十年程度と考えられている」(東京) Tweet

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