葉緑素の“色づく”過程を解明
植物内で葉緑素ができる最後の段階で、もとになる物質が緑色になるメカニズムを名古屋大の藤田祐一准教授らの研究チームが解明、18日付英科学誌ネイチャー電子版に発表した。
解明に成功したのは、裸子植物などに含まれ、光がなくても葉緑素をつくる「暗所作動型」酵素の化学変化。
藤田准教授によると、葉緑素は根から取り込んだ窒素などをもとに複数の酵素の働きでつくられるが、生成の最終段階で働く酵素の複雑な化学構造や化学変化のメカニズムを解明したのは初めて。「新しい触媒の開発などにつながるかもしれない」としている。
藤田准教授らは今回、光を必要とせずに葉緑素をつくる酵素の分子構造をエックス線などで解析。葉緑素のもとになる薄い黄緑色の物質「プロトクロロフィリド」が、この酵素から電子を受け取るなどして化学構造を変化させ、葉緑素になる一段階手前で、緑色の物質「クロロフィリド」になる過程をとらえることに成功した。(山陽) Tweet

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