沿岸の藻場が大量のCO2吸収
日本沿岸にも広く存在する藻場やマングローブ林などの沿岸の生態系は毎年、日本の年間排出量を上回る二酸化炭素(CO2)を吸収するなど地球温暖化防止に大きな役割を果たしているとの調査報告書を国連環境計画などが10日までにまとめた。藻場やマングローブ林によるCO2吸収量やその変化を地球規模で評価した研究は少ない。
一方で報告書は「これらの沿岸の生態系は、開発による破壊が深刻で、20年後には大部分が消失する恐れがある」とも指摘。「漁業などにとっても重要な藻場やマングローブ林の破壊を止めることが、有力な温暖化対策になる」として、藻場などが吸収したCO2を「排出枠」として国際的な排出量取引市場で売ることができる仕組みを作り、各国の保全の取り組みを進めるよう提案した。
スペインや英国などの研究者の協力でまとめた報告書によると、人工衛星の画像などを基に沿岸の生態系の影響を分析。現在、世界で藻場やマングローブ、干潟の植物が自生する場所は海の面積の1%に満たないが、光合成は非常に盛んで、毎年、世界全体のCO2排出量の約6%に当たる16億5千万トンのCO2を吸収。蓄積量は海底部分全体の70%超に上った。(共同) Tweet

0 Comments:
Post a Comment
<< Home